歯科クリニックのホワイトニングは、主に歯科医師に治療してもらうオフィスホワイトニング、患者さんが自宅で行うホームホワイトニングの2種類に分かれます。
また、もう一つの選択肢に、“デュアルホワイトニング”というものがあります。
今回は、デュアルホワイトニングの概要やメリット・デメリットについて解説します。
デュアルホワイトニングの概要
デュアルホワイトニングは、歯科クリニックで専用の薬剤や装置を用いて医師が行うオフィスホワイトニング、自宅でマウスピースを使って行うホームホワイトニングの両方を並行して行う方法です。
学会でも推奨されているホワイトニングの方法であり、デュアルには2つのものを一対として用いるという意味があります。
また、デュアルホワイトニングは、ホワイトニングを取り扱う歯科クリニックのほとんどで採用されています。
デュアルホワイトニングの一般的な流れ
デュアルホワイトニングは、一般的に以下のような流れで行われます。
・カウンセリング、検査
・マウスピースの型取り、クリーニング
・オフィスホワイトニングの施術
・ホームホワイトニング開始
・定期チェック
このように、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを繰り返しながら、理想の白さになるまで治療を続けるのが一般的です。
また、定期チェックは、1~2週間に一度のペースで、歯科クリニックを受診して行います。
デュアルホワイトニングのメリット
歯科クリニックでデュアルホワイトニングを受けることのメリットは、主に以下の通りです。
・後戻りがしにくい
・自然な白い歯を目指せる
後戻りがしにくい
一度歯科クリニックでホワイトニングを受けたとしても、ある程度時間が経過すると、色が元に戻ってしまうことは避けられません。
このような現象を後戻りといいますが、デュアルホワイトニングであれば、歯の内部の隅々まで時間をかけ、じっくり漂白してくれるホームホワイトニングも併用するため、後戻りがしにくく、効果が長く持続します。
具体的には、半年~1年程度効果が続くケースが多いです。
自然な白い歯を目指せる
オフィスホワイトニングは、即効性のあるホワイトニングの方法ですが、歯の表面の構造変化が起こりやすく、施術後に歯の透明度が失われやすいとされています。
一方、ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングよりも低い濃度の薬剤でじっくり歯を白くしていくため、歯の表面の構造変化はそれほど見られず、自然な透明感のある白い歯を目指しやすいです。
デュアルホワイトニングは、これら両方のホワイトニングを組み合わせているため、白さをすぐに実感しやすく、なおかつ自然な白い歯も目指せる方法だと言えます。
デュアルホワイトニングのデメリット
一方で、歯科クリニックで行うデュアルホワイトニングには、以下のようなデメリットもあります。
・コストが高い
・施術に時間がかかる
・知覚過敏の症状が出やすい
コストが高い
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法であるため、どうしてもそれぞれ単体で行うよりもコストは高くなります。
ただし、デュアルホワイトニングの場合は割引をしているなど、患者さんに寄り添った料金体系が多く、場合によってはお得に受けられることもあります。
施術に時間がかかる
デュアルホワイトニングでは、施術に要する全体の期間が長期化します。
こちらは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの施術期間が、単純に加算されているからです。
そのため、歯科クリニックに通い、なおかつ自宅でマウスピースを装着する時間も確保できる方でなければ、継続させるのは難しくなります。
もちろん、当初の予定通り通院できないということになれば、施術にかかる期間はさらに長期化します。
知覚過敏の症状が出やすい
ホームホワイトニングでは、過酸化水素濃度が10~20%程度の薬剤を使用するのに対し、オフィスホワイトニングで使用される薬剤は、濃度が35%ほどと濃くなっています。
そのため、オフィスホワイトニングの方が知覚過敏の症状が現れやすいですが、デュアルホワイトニングはホームホワイトニングも併用するため、さらにそのリスクが高まります。
もちろん、歯に深刻なダメージが蓄積するほどのものではありませんが、知覚過敏を発症すると、歯がしみたり、痛みが出たりといった症状が現れます。
また、こちらは術後数日で消失するケースが多いですが、いつまで経っても症状が改善されない場合は、消炎鎮痛剤を服用したり、場合によってはホワイトニングを中断したりしなければいけないこともあります。
まとめ
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ここまで、デュアルホワイトニングの概要やメリット・デメリットなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
デュアルホワイトニングは、できる限り自然な白い歯を手に入れたい方、そしてその効果を持続させたい方に向いています。
ただし、その分コストがかかりやすいことや、多忙な方にはあまり向いていないことなどは、前もって理解しておきましょう。