ホワイトニングは、黄ばんでしまった歯を白くキレイにすることが主な目的ですが、それ以外にも効果があります。
実は、歯科クリニックのホワイトニングを行うことで、歯周病の予防効果も期待できます。
ここからは、どのような仕組みで歯周病を予防できるのかを中心に解説したいと思います。
ホワイトニングに使用される薬剤について
歯科クリニックで使用されるホワイトニングの薬剤には、過酸化水素という成分が含まれています。
過酸化水素は、オキシドールの中にも3%程度含まれている成分で、ホワイトニングの薬剤においては、25%程度まで濃度を高めて使用します。
歯科クリニックで行うオフィスホワイトニングでは主に過酸化水素を、自宅で行うホームホワイトニングでは、主に過酸化尿素を使用します。
これらはいずれも、過酸化水素を主成分としています。
また、これらの取り扱いには、歯科医師免許、医師免許が必要であるため、市販のホワイトニング歯磨き粉や、ホワイトニングサロンで使用される薬剤には、過酸化水素が含まれていません。
そして、最近の研究では、ホワイトニングは歯を漂白して白くするだけでなく、歯周病予防効果もあることが報告されています。
ホワイトニングが歯周病予防につながる理由
歯科クリニックでのホワイトニングが歯周病予防につながる理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・プラークが除去される
・抗菌作用がある
・歯質を強化してくれる
・クリーニング効果がある
・審美的意識が高まる
プラークが除去される
ホワイトニングには、歯の表面の着色、変色を除去するだけでなく、プラークを除去する効果もあります。
歯周病の主な原因はプラークであるため、こちらが減少することにより、必然的に歯周病のリスクは軽減されます。
抗菌作用がある
歯科クリニックで使用するホワイトニングの薬剤には、抗菌作用が含まれています。
具体的には、過酸化水素に歯周病菌の数を減らす効果があり、これによって歯や歯茎に付着した歯周病菌を減少させ、症状が出るのを予防します。
歯質を強化してくれる
ホワイトニングの薬剤には、過酸化水素だけでなく、フッ素も含まれています。
こちらを歯に塗布することにより、エナメル質が強化され、細菌やウイルス、食品中の有害な物質などが歯の内部に侵入するのを防ぎます。
もちろん、ここでいう細菌には、歯周病菌も含まれています。
クリーニング効果がある
歯科クリニックで使用するホワイトニングの薬剤には微粒子が含まれていて、歯の表面のクリーニングをしてくれる効果があります。
つまり、ホワイトニングを受けることで、単純に汚れた歯がキレイになるため、歯や歯茎に悪影響を及ぼしにくく、歯周病も予防できるということです。
審美的意識が高まる
当初の予定通り、きっちりとしたスケジュールでホワイトニングを進めていけば、理想的な白さの歯を手に入れられる可能性が高いです。
また、ホワイトニングによって歯がキレイになることで、審美的な意識が高まり、これまでよりもオーラルケアに力を入れやすくなります。
具体的には、ブラッシングだけでなく、フロスや歯間ブラシの使用、定期的な歯科クリニックへの通院などにより、口内を清潔に保とうとするため、歯周病は発症しにくくなります。
すでに歯周病にかかっていてもホワイトニングは受けられる?
ホワイトニングには、歯周病を予防する効果がありますが、すでに歯茎の炎症や出血など、歯周病の症状が出ている方については、ホワイトニングを受けることができません。
このような場合は、先に歯周病治療を受けることになります。
もし、治療しないままホワイトニングをしてしまったら、ホワイトニングの薬剤により、知覚過敏の症状が出る可能性が高いです。
知覚過敏とは、歯が一瞬ズキンとしみたり、痛んだりする症状のことをいいます。
こちらは、歯の表面のエナメル質が、何らかの理由で傷付いていることが原因で起こります。
歯周病は、進行度によっては患部のエナメル質が失われるため、知覚過敏の原因になります。
また、知覚過敏は本来一過性のものであるため、時間が経過することによって、ある程度症状は改善されます。
しかし、歯周病に関しては治療しない限り治らないため、すでに発症している状態で起こった知覚過敏については、いつまで経っても症状が現れることが考えられます。
ちなみに、虫歯を発症している方も、歯周病同様、エナメル質が傷ついている状態であるため、そのままホワイトニングを受けることはできず、前もって治療をしなければいけません。
まとめ
ここまで、ホワイトニングが歯周病予防につながる理由や仕組みを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ホワイトニングを行ったからといって、すぐに歯が白くなるとは限りませんが、根気強く継続すれば、審美面での大きなメリットを得られますし、歯周病を予防することもできます。
こちらは、きちんと段階を踏み、歯科クリニックでホワイトニングを受けた方のみの特権です。