歯科クリニックで行われるオフィスホワイトニング、自宅で行われるホームホワイトニングは、いずれも安全性の高い治療です。
しかし、場合によっては、あまり良くない症状が出ることも考えられます。
今回は、ホワイトニング治療によって発生する主な副作用について解説します。
ホワイトニング治療で発生する主な副作用7選
ホワイトニング治療では、主に以下のような副作用が発生することがあります。
・知覚過敏
・色ムラ
・後戻り
・歯髄炎
・口腔粘膜炎
・歯茎の灼熱感
・吐き気
知覚過敏
知覚過敏とは、歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲食物、甘いものを食べたり、風に当たったりしたときに歯に感じる一過性の痛みをいいます。
特に、虫歯や歯の神経の炎症などといった病変がない場合に見られる症状です。
ホワイトニングをすると、歯の表面を保護する役割を持つペリクルという膜が剥がれてしまいます。
こちらのペリクルが剥がれることで、ホワイトニングの薬剤が浸透し、歯を白くするのですが、歯の内側にある象牙質を露出させます。
象牙質には多くの細管が伸びていて、刺激があると知覚過敏を引き起こします。
しかし、歯の保護をするペクリルは、時間が経てば自然と再生していきます。
そのため、あまり心配する必要はなく、ホワイトニング治療後の一時的なものと考えて良いでしょう。
色ムラ
ホワイトニング治療後、歯全体が同じ白さにならず、色ムラが発生することがあります。
こちらは、施術の偏りがあったり、歯1つ1つの色素沈着度合いやエナメル質の厚さなどで、すべての歯へ均等に薬剤が作用しなかったりするからです。
特に自宅でのホワイトニングでは均一に処理するのが難しいことも多く、色ムラが生じる可能性が高いため、注意が必要です。
後戻り
後戻りとは、一度白くした歯がまたホワイトニングをする前の色に戻ってしまうことをいいます。
ホワイトニング治療では、基本的にどうしても後戻りするため、ホワイトニング後の真っ白な歯の状態を保つことが難しいです。
後戻りの原因としては、主に以下の3つが考えられます。
・ホワイトニング後の水分復帰
・食生活による着色
・加齢に伴う歯の色の変化 など
ホワイトニング後の歯は、飲食物によって着色しやすい状態になります。
例えば、コーヒーや紅茶、ワインなど色素が含まれているものを飲むと、歯にうっすらと色が付きます。
また、エナメル質はミネラル分が消失すると、再石灰化を繰り返すため、歯質の再石灰化を繰り返せば、歯の表面が元のような状態に戻ってしまうというのが、ホワイトニング後に後戻りする理由です。
歯髄炎
ホワイトニング直後にジンジン痛む場合は、歯髄炎である可能性が考えられます。
歯髄炎とは、何らかの刺激によって歯の神経である歯髄に炎症がおよび、強い自発痛を伴う症状のことをいいます。
このような場合は、ホワイトニングの薬剤が歯髄を刺激し、ジンジンと痛む炎症を起こしている可能性があります。
また、歯髄炎の対処法としては、主に以下の4つがあります。
・自然に治るのを待つ
・知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
・知覚過敏抑制剤を塗布する
・歯の神経を抜く
場合によっては、何もせずに安静にするだけでも、症状が治まる場合があります。
一方、知覚過敏用の歯磨き粉、知覚過敏抑制剤などを使用しても効果がない場合は、最終手段として歯の神経を取り除くことも考えられます。
口腔粘膜炎
一般的に、口腔粘膜のただれや潰瘍形成は口内炎と呼ばれますが、ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素が歯茎、口腔粘膜に触れて生じる炎症、潰瘍形成といった病変は、口腔粘膜炎と呼ばれます。
こちらは、特にホワイトニング剤の濃度が濃いオフィスホワイトニングで起こる可能性がありますが、あらかじめ保護材を塗布することで、ある程度発症を予防できます。
歯茎の灼熱感
ホワイトニングに使用する薬剤が合っていない方は、歯茎に灼熱感を覚えることがあります。
こちらは、歯茎が熱くてヒリヒリする、焼け付くような感覚であり、先ほど解説した口腔粘膜炎と同時に起こるケースも見られます。
吐き気
マウスピースを使用するホームホワイトニングでは、異物が口内に長時間入ることにより、吐き気を催すケースもあります。
また、口内にピッタリフィットするマウスピースであれば、薬剤が歯とマウスピースの間にとどまってくれますが、そうでない場合には、薬剤がすぐに口内へ漏れ出すことになります。
このようなケースでは、漏れないよう、口を動かさないようにしなければならず、少しでも漏れれば薬剤の混じった唾液が口内に広がります。
こちらも、吐き気につながる原因の一つです。
まとめ
ここまで、ホワイトニング治療によって発生する主な副作用について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ホワイトニング治療中は、一時的な症状として見られるもの以外、前述した副作用をそのまま放置してはいけません。
もし放置すれば、思い通りの仕上がりにならなかったり、口内を中心に重大なトラブルが発生したりする可能性があります。