歯周病の原因菌が定着し始めるのは15歳前後からとされています。
またもっとも発症のリスクが高いのは30~60代にかけてです。
しかし子どもに歯周病のリスクがないのかというと、決してそうではありません。
子どもも軽度の歯周病である歯肉炎のリスクはあります。
今回は、子どもの歯周病予防の方法について解説します。
子どもの歯周病予防における方法7選
子ども自身の力で歯周病を予防するには限界があります。
そのため親御さんは以下のポイントを押さえ、サポートしなければいけません。
・正しいブラッシング、仕上げ磨き
・フロスの使用
・歯列矯正
・定期検診
・正しい食生活
・唾液の分泌促進
・歯周病に関する教育
正しいブラッシング、仕上げ磨き
子どもの歯周病は、口内に残った食べカスや汚れによって進行します。
こちらの仕組みは大人と変わりありません。
そのため、日常的なセルフケアが必要不可欠です。
また子どもの場合、正しいブラッシングの方法が身についていないことがあります。
このことから磨き残しが多く、歯周病や虫歯のリスクは高まりやすいです。
親御さんは子どものブラッシング後、きちんと汚れが落ちているか確認しましょう。
小さな子どもの場合は仕上げ磨きを行うのも大切です。
可能な限り子どもの口内からプラークを除去するのが、歯周病予防への近道です。
フロスの使用
子どもの歯周病予防には、歯ブラシだけでなくフロスも使用すべきです。
フロスを使用すると、歯と歯の間にあるプラークを取り除くことができます。
そのため、必然的に歯周病予防につながります。
歯ブラシとあわせて使用すれば、9割近くのプラークを除去できると言われています。
また小さな子どもについては、必ず親御さんが仕上げ磨きでフロスを使用してください。
フロスは細かい動きが必要なため、手元が安定していないと歯茎を傷付けてしまいます。
本人が安定して操作できるようになったら、子ども自身に任せても大丈夫です。
ただし最初は親御さんがそばで見守り、操作できているかを確認してあげましょう。
歯列矯正
歯列矯正も、子どもの歯周病予防の方法の一つです。
歯列矯正により、プラークを除去しやすい口内環境になります。
逆に歯並びが悪いと、どうしてもブラッシングがしにくい部分が出てきます。
特に歯が重なり合っている部分などは、歯ブラシの毛先がうまく届きません。
またこのような部分は、いつの間にか歯周病や虫歯が進行しやすいです。
親御さんはこのような状況にさせないよう、早期の歯列矯正を検討しましょう。
大人になってから歯並びを矯正するのは、顎や歯の構造上難しくなります。
定期検診
子どもの歯周病予防には、歯科クリニックでの定期検診も欠かせません。
定期検診は、虫歯だけでなく歯周病の早期発見や予防にも役立ちます。
具体的には歯磨き指導やプラーク・歯石の除去、フッ素塗布などを行います。
また進行が見られる場合、歯周ポケット内を洗浄する治療が行われることもあります。
歯周病は軽度の場合、自覚症状がほとんどありません。
そのため、痛みに敏感な子どもであっても気づきにくいです。
知らないうちに悪化しないためにも、定期的に歯科クリニックに通院しましょう。
正しい食生活
子どもの歯周病を防ぐために、親御さんが正しい食生活を送らせることも大切です。
子どもの歯肉炎は、ホルモンバランスが原因の場合もあります。
そのため栄養バランスの良い食事を摂取させることが大切です。
身体の健康を保ち免疫力を高めることで、歯肉炎の発症や進行を抑えられます。
またおやつに関しても糖分の少ないものや無添加のものを選ぶのがおすすめです。
唾液の分泌促進
親御さんは子どもの歯周病予防として、唾液の分泌を促すことも考えましょう。
唾液には、口内の食べカスや細菌などを洗い流す作用があります。
そのため、できる限り分泌量を増やすことで歯周病予防につながります。
またその方法としては、噛み応えがある食べ物を与えると良いでしょう。
食後にキシリトールガムを与えるという方法も効果的です。
キシリトールにはプラークを取りやすくしたり、形成を防止したりする効果があります。
歯周病に関する教育
子どもの歯周病予防の方法としては、親御さんによる歯周病予防の教育も挙げられます。
親御さんの目が届く自宅では、十分に歯周病予防が徹底できるかもしれません。
しかし学校や外出先などでは、しっかりセルフケアができていないこともあります。
そのため成長した子どもに対しては、歯周病のリスクについてきちんと教えるべきです。
子ども自身が歯周病のリスクを理解しなければ、積極的に予防しようとは思いません。
まとめ
ここまで、子どもの歯周病予防の方法について解説してきました。
子どもの歯肉炎については、成長するにつれて自然に完治するケースもあります。
しかし歯周病の種類によっては完治せず、歯周炎に移行することが考えられます。
またそれでも放置していると、大人と同じように歯が抜け落ちます。
親御さんには、子どもがこのような状況になるのを防ぐ義務があります。