歯周病は、歯の周囲の歯茎に細菌が感染し、炎症が起こる病気です。
最初はほとんど自覚症状がありませんが、進行するにつれて出血したり、膿が出たりして、最終的には歯がグラグラになり、次第に抜け落ちてしまいます。
今回は、歯周病になりやすい人の特徴について解説したいと思います。
歯周病になりやすい人の特徴8選
歯周病のリスクは誰もが少なからず持っているものですが、以下の特徴を持つ方は、特に発症しやすいと言えます。
・歯磨きが十分でない
・歯並びが悪い
・喫煙をしている
・糖尿病を患っている
・被せ物が合っていない
・大きなストレスを抱えている
・妊娠している
・歯ぎしりや食いしばりがある
歯磨きが十分でない
歯周病の主な原因であるプラークを取り除くには、正しいブラッシングで歯磨きをすることが大切です。
歯磨きが不足していると、プラークや食べカスが口内に残ったままになり、細菌が増加し、歯周病になる危険性が高まります。
特に、お酒を飲んだ後は面倒になり、歯磨きをしないまま寝てしまいがちなため、要注意です。
歯並びが悪い
歯並びが悪いと、歯が重なっている部分の歯磨きやケアがしにくいことで、プラークが残ってしまいます。
こちらのプラークはやがて唾液成分と混ざり合い、歯石になることで、その部分に歯周病菌が棲みつき、歯周病につながります。
喫煙をしている
喫煙の習慣がある方は、非喫煙者の方に比べて歯周病にかかりやすいことがわかっています。
口は、身体の中で最初に喫煙の影響を受ける部分です。
タバコの煙や成分は、口内に入ると粘膜や歯茎から吸収され、吸収されたタバコの有害物質は、血管を圧縮し、歯茎の血液量を減少させます。
また、血液循環が悪化し、歯茎に十分な酸素が行き渡らなくなると、歯周ポケットの中で歯周病菌の原因菌が繁殖しやすくなります。
糖尿病を患っている
糖尿病を患っている方は、歯周病を発症しやすくなります。
日本歯周病学会のデータでは、血糖コントロール不良が原因の2型糖尿病の方は、非糖尿病者に比べ、歯周炎のリスクが2.9倍も高いということがわかっています。
こちらは、口の乾きが関係していて、高血糖になると、唾液の分泌量が減り、口の中が乾いてきます。
こうなると、白血球の機能が低下し、歯周病菌が増殖します。
そのため、糖尿病の方が口内のケアを怠ると、簡単に歯周病になってしまいます。
被せ物が合っていない
歯の被せ物や詰め物が合っていない方は、歯との間に段差が生じることで歯ブラシが届きにくい部分ができるため、プラークが蓄積し、歯周病になりやすくなります。
また、虫歯を治療して詰め物や被せ物を装着し、使用している間に不適合になった場合、歯周病だけでなく、同じように虫歯菌が隙間に溜まることで、再度虫歯になる可能性もあります。
こちらは二次虫歯(二次カリエス)と呼ばれるものです。
大きなストレスを抱えている
人はストレスを抱えると、交感神経が優位な状態が続き、唾液量が減少します。
唾液には自浄作用があるため、唾液が少なくなることで口内の細菌が増えやすくなり、歯周病のリスクも高まります。
また、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンの中には、免疫活動を抑制するものもあり、歯周病悪化の原因の一つだと考えられます。
妊娠している
妊娠している女性も、歯周病のリスクは高いと言えます。
妊娠初期に起こる悪阻(つわり)により、歯磨きをする回数が減った場合、その期間に磨き残しが増え、歯肉炎の症状が出てきます。
その後、悪阻が落ち着いた後も汚れが蓄積していると、歯肉炎から歯周炎へと進行する場合があります。
また、妊娠中は、酸っぱい物を食べたいなど、嗜好品の変化により、口内が酸性に傾きやすくなります。
そして、虫歯ができると、その周りには汚れがつきやすくなり、汚れが増えれば歯茎の炎症、歯周病にもつながります。
ちなみに、妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が活発になります。
これらのホルモンは、歯周病菌が繁殖しやすい状態をつくるため、ごくわずかなプラークや歯石であっても、歯茎の炎症が起こりやすくなります。
歯ぎしりや食いしばりがある
歯ぎしりや食いしばりなどの癖があると、歯に過剰な負担がかかり続けます。
また、こちらをそのままにしておくと、歯や歯茎、歯茎を支えている顎の骨などの組織にダメージが蓄積し、歯周病が悪化するリスクが高まります。
歯は横方向の力に弱く、歯ぎしりの中でも歯を横にスライドさせるタイプの歯ぎしりをしていると、悪影響が出やすいと言われています。
まとめ
ここまで、歯周病になりやすい方の主な特徴について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
歯周病は口内の病気ですが、歯磨きの不足や歯並びの悪化など、口内の問題だけでなく、さまざまな原因で発症するものです。
また、冒頭で触れたように、最初はほとんど自覚症状がないため、気付いたら重症化していたということのないように、定期的に歯科クリニックで検診を受けるようにしてください。