歯周病は、大人から子どもまで、誰もが発症する可能性のある病気です。
また、こちらは歯周病菌というウイルスに感染することによって発症するものですが、人から人にうつることはあるのでしょうか?
ここからは、歯周病の感染に関することについて、詳しく解説したいと思います。
歯周病は感染症の一種
歯周病は感染症の一種であり、国民のおよそ8割が感染していると言われています。
感染症というと、近年大流行した新型コロナウイルスや、毎年のように聞くインフルエンザなどがありますが、これらは流行時、一気に感染者が増えるものの、ほとんどの方が回復し、ウイルスは体内から姿を消します。
しかし、歯周病はサイレントディジーズ(静かなる病気)と言われていて、自覚のないまま進行し、治療を行ったとしても、細菌は常在菌として口内に棲み続けます。
そのため、知らず知らずのうちに、家族やパートナーなどにうつしてしまうことも考えられます。
歯周病が人から人にうつる原因
歯周病がうつる原因としは、主に以下のことが挙げられます。
・咀嚼してからの食べ与え
・食器の共有
・キス
・歯ブラシの接触
咀嚼してからの食べ与え
子どもがまだ小さい場合、親御さんが食べ物を咀嚼して柔らかくしたものを食べ与えるというケースがあります。
しかし、親御さんが歯周病に感染している場合、これによって歯周病菌を含んだ食べ物が子どもの口内に入るため、歯周病がうつる可能性があります。
食器の共有
お箸やお皿、コップなどを家族、友人で使い回していると、使用したときに付着した唾液が他の人の口内に入り、歯周病に感染してしまうことがあります。
キス
キスは夫婦やパートナー同士で唾液を交えるスキンシップであるため、いずれかが歯周病に感染していると、原因菌がうつる可能性があります。
歯ブラシの接触
歯ブラシを使用した後は、毎回キレイに洗っているという方も多いかと思いますが、実は歯ブラシは細菌の温床です。
そのため、2つの歯ブラシを隣同士で立てて保管している場合などには、毛先が接触し、歯周病菌が移動した歯ブラシを使用することにより、歯周病に感染してしまうケースがあります。
歯周病は必ずうつるのか?
先ほど、歯周病が人から人にうつる主な原因について解説しましたが、前述のような行動をしたからといって、必ずしも歯周病がうつるとは限りません。
私たちの口内には、多かれ少なかれ歯周病菌が存在します。
また、歯周病を発症するかどうかは、細菌の数ではなく、その人の免疫力が大きく影響しています。
例えば、免疫力が人より低いという方は、歯周病菌の数が100億個程度でも歯周病を発症しますが、免疫力が高い方は、歯周病菌が1,000億個を超えても発症しないケースがあります。
つまり、歯周病は、歯周病に感染している方から、免疫力の弱い方に原因菌がうつることで、発症のリスクが高まるということです。
歯周病をうつさないための対策
家族や友人など、大事な方に歯周病をうつさないためには、まず前述したような行動をなるべく避けることが大切です。
また、その他でいうと、以下のような対策が有効です。
・毎日のブラッシング
・定期的なメンテナンス
・糖尿病の予防
・禁煙
毎日のブラッシング
歯周病をうつさないようにするには、やはり自身が歯周病になるのを防ぐことが大切です。
また、その対策としては、毎日のブラッシングが挙げられます。
磨き残しがあると、プラークが残ったままになり、歯周病菌が繁殖しやすくなるため、ブラッシングで丁寧に取り除かなければいけません。
定期的なメンテナンス
毎日丁寧にブラッシングをしていても、知らず知らずのうちに取り切れないプラークや歯石は溜まっていきます。
また、何も症状がなかったとしても、生活習慣によって口内環境は変化するため、定期的に歯科クリニックでメンテナンスを行い、感染の原因であるプラークをリセットすることが大切です。
糖尿病の予防
糖尿病は、歯周病を発症させたり、悪化させたりするリスクがあります。
そのため、こちらを予防することも、歯周病がうつるのを防ぐ方法の一つです。
また、糖尿病を予防するには、生活習慣の改善が重要です。
バランスの良い食事を摂ったり、適度に運動したりすることを心掛けましょう。
禁煙
喫煙をすることにより、歯茎の血流が悪くなり、歯周ポケットの中で原因菌が繁殖しやすくなります。
そのため、喫煙者の方は、通常よりも歯周病にかかりやすく、治りにくくなります。
禁煙をすることで、歯周病の予防につながりますし、他の人にうつす心配も少なくなります。
まとめ
ここまで、歯周病の感染に関することを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
歯周病には、さまざまな感染経路があります。
もちろん、誰もが歯周病菌を持っているため、口から口へ移動したからといって、必ずしも歯周病を発症するわけではありませんが、感染のリスクが高い行動については、日頃から意識して避けるようにすることをおすすめします。
特に、子を持つ親御さんは気を付けましょう。