歯周病予防として一般的なのは、やはり毎日丁寧にブラッシングをすることです。
また、普段のブラッシングとは別に、歯茎マッサージを行うことでも、ある程度歯周病を予防することが可能です。
今回は、歯周病予防につながる歯茎マッサージのメリットや方法などについて解説したいと思います。
歯茎マッサージとは?
歯茎マッサージとは、歯茎や頬の粘膜、唇、唾液腺などに対し、指や歯ブラシを使用してマッサージを行うことをいいます。
ガムマッサージとも呼ばれます。
通常のブラッシングは、歯や歯間などのプラークを取り除くことを目的に行われますが、歯茎マッサージはどちらかというと歯の周りの歯周組織に対して行うもので、さまざまなメリットが期待できます。
歯茎マッサージのメリット
歯茎マッサージを行うことの主なメリットは以下の通りです。
・血行の促進につながる
・唾液の分泌が促進される
・リラクゼーション効果
・アンチエイジング効果
血行の促進につながる
歯茎マッサージの大きなメリットとしては、まず歯茎の血の巡りが良くなり、歯周病の原因菌に対する抵抗力アップが期待できる点が挙げられます。
歯茎の血流が悪いと、細胞の入れ替わりに必要な酸素が届きにくくなり、歯周病の原因菌が繁殖しやすくなるといわれています。
一方、歯茎マッサージによって血の巡りが良くなると、酸素や栄養が行き渡りやすい状態になります。
唾液の分泌が促進される
唾液は主に、顎の下にある顎下腺、舌の下の粘膜にある舌下腺、耳の前下にある耳下腺でつくられています。
歯茎マッサージによってツボを刺激すると、唾液の分泌が促され、虫歯や歯周病、口臭といった口内トラブルを防いでくれます。
また、唾液には、口内の食べカスを洗い流すだけではなく、唾液に含まれる酵素が消化を助けたり、口から入ってくる細菌の増殖を防いだりする役割があります。
リラクゼーション効果
実は、歯茎にはたくさんの血管とツボがあります
そのため、歯茎マッサージによって筋肉がほぐれ、血行が良くなり、口全体が活性化して、リラクゼーション効果が期待できます。
また、表情筋がほぐれ、頭がスッキリするため、目の疲れが取れたり、肩が軽くなったりすることもあります。
アンチエイジング効果
歯茎マッサージの効果により、歯茎の代謝が促進され、ツヤのあるいきいきとした歯茎に生まれ変わります。
歳を重ねるにつれ、口の筋肉が衰えていき、しっかりと噛めないことから、内蔵機能の低下と脳への刺激が乏しくなります。
このようなことからも、歯茎マッサージで血行を良くすることは、老化を止め、健康的な口腔環境を保つ術といえます。
歯茎マッサージの方法について
歯周病予防をはじめ、さまざまなメリットが得られる歯茎マッサージには、指で行う方法と、歯ブラシを使用する方法があります。
それぞれの方法について詳しく見てみましょう。
指で行う歯茎マッサージの方法
指で歯茎マッサージを行う場合は、まず手をキレイに洗います。
その後、歯を磨いて、歯の汚れを取り除きます。
歯がある程度キレイになったら、人差指の腹の部分で、歯茎を下側の左奥から中央へ向かって2〜5回ゆっくりと撫でます。
次は、右奥から中央へ、下側が終わったら上側の左奥へ、最後は右奥と同様に行います。
次に、歯と歯茎の境目を丁寧にマッサージします。
このとき、優しくゆっくりと行うのがポイントで、爪を立てて歯茎を傷つけないように注意しましょう。
最後に、歯茎と唇、歯茎と頬の境目部分を、人差指の腹の部分でゆっくりと撫でるようにマッサージします。
目安は、2〜5回ほどです。
ちなみに、こちらの歯茎マッサージは、入浴中に行うことにより、指や口の中も洗浄しやすく、習慣づけやすくなります。
歯ブラシで行う歯茎マッサージの方法
歯ブラシで歯茎マッサージを行う場合は、毛先が柔らかい歯ブラシを用意します。
硬い歯ブラシを使うと歯茎を傷付ける可能性が高いため、注意してください。
また、こちらの歯茎マッサージでは、歯磨き粉も使用しません。
歯磨き粉に配合されている発泡剤により、口をゆすぎたくなるため、長い時間じっくりとマッサージをするときに使用するのは不向きです。
歯茎マッサージの方法としては、まず毛先が歯と歯茎の間に当たるように、歯ブラシのヘッドを歯軸に対し、45度くらいに傾けて当てます。
その後、歯ブラシをゆっくり震わせるように動かします。
このとき、力を入れすぎないように注意し、歯ブラシをペングリップで持ちながら、何度も同じ場所を優しく動かすのがポイントです。
ちなみに、歯ブラシを使った歯茎マッサージの目安時間は20分ほどで、1本の歯に対応する歯茎を1分前後かけてマッサージするイメージです。
まとめ
ここまで、歯周病予防につながる歯茎マッサージのメリットや方法などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
口の中は、歯だけで構成されているわけではありません。
むしろ、歯茎をはじめとする歯以外の組織の方が割合は多いため、こちらのケアも重点的に行わなければ、歯周病などの症状を予防するのは難しくなります。