歯周病予防の基本は、歯にプラークがつかないようにすることであり、毎日のブラッシングや定期的な歯石の除去が有効です。
また、ブラッシングをするにあたって重要なアイテムと言えば、歯ブラシの他にも歯磨き粉が挙げられます。
ここからは、歯周病予防に効果的な歯磨き粉の成分について解説します。
歯周病予防に効果的な歯磨き粉の成分6選
歯周病を予防するには、毎日丁寧に正しい方法でブラッシングするだけでなく、予防効果を多く含んだ歯磨き粉を使用することが大切です。
そのため、製品を選ぶ際には、以下のような成分が含まれているかどうかを確認しましょう。
・殺菌剤
・消炎剤
・血行促進剤
・止血剤
・細胞賦活剤
・収斂剤
殺菌剤
歯周病予防に効果的な成分としては、まず殺菌剤が挙げられます。
代表的なものは、塩化セチルピリジウムやイソプロピルメチルフェノールです。
塩化セチルピリジウムは、口の中の浮遊している細菌に効果があり、バイオフィルム(細菌の塊)の表層の細菌に付着し、殺菌してくれます。
また、イソプロピルメチルフェノールは、広範囲の菌に対する殺菌効果が高く、安全性にも優れていて、消毒液や化粧品、制汗剤等にも幅広く使われている成分です。
ちなみに、殺菌剤として歯磨き粉に含まれている成分には、他にも以下のようなものがあります。
・塩化ベンゼトニウム
・クロルヘキシジン
・ラウロイルサルコシンナトリウム
・チモール
・トリクロサン など
消炎剤
消炎剤とは、名前の通り炎症を消すことができる成分のことであり、こちらも歯周病予防には欠かせません。
よく歯磨き粉に配合されているグリチルリチン酸ジカリウムがその一つであり、こちらは抗炎症、抗アレルギー作用などに著しい効果があります。
即効性は期待できないものの、連続使用を行ってもほとんど副作用がないと言われています。
また、グリチルリチン酸ジカリウム以外にも、消炎剤には以下のようなものがあるため、歯周病予防の歯磨き粉を選ぶ際は、これらが含まれているかどうか確認してください。
・E-アミノカプロン酸
・塩化リゾチウム
・サリチル酸メチル
・シオネール など
血行促進剤
血行促進剤とは、血行を促進する効果のある成分をいい、歯周病予防の歯磨き粉に含まれているものでいうと、酢酸トコフェノールが該当します。
酢酸トコフェノールは、α-トコフェノールを酢酸エステル化して得られる合成ビタミンEであり、歯肉細胞を活性化し、歯肉組織を修復する効果があります。
また、歯肉上皮を強化し、歯茎の内部における歯周病原因子の侵入も防止します。
止血剤
止血剤とは、出血を抑える効果のある成分で、こちらも歯周病予防にはとても役に立ちます。
代表的な成分としてはトラネキサム酸が挙げられ、こちらは歯茎からの出血を抑える役割があります。
医療現場でも、術後の創部からの出血に投与されているため、安全性に関しても問題ありません。
細胞賦活剤
歯周病予防に効果的な成分としては、細胞賦活剤も挙げられます。
こちらは、細胞の新陳代謝を活発にし、再生するための成分であり、歯磨き粉に含まれているものでいうと、塩酸ピリドキシンが該当します。
塩酸ピリドキシンは、別名ビタミンB6と呼ばれているもので、主にタンパク質の代謝を助ける効果がありますが、それ以外にも免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進などを促します。
また、歯周病の方が、こちらを配合した歯磨き粉を使用することにより、歯周病で壊れた歯茎の修復効果が見込めます。
収斂剤
収斂剤とは、タンパク質を変性させることにより、組織や血管を縮める作用のある成分をいいます。
歯磨き粉に含まれているものとしては、アラントインや塩化ナトリウムが有名です。
アラントインは、歯茎の細胞を活性化し、歯茎の組織を修復する組織修復成分です。
また、塩化ナトリウムは、歯茎の線維や血管を収縮させることにより、歯茎を引き締め、歯周病による歯茎の腫れを抑える効果が期待できます。
ちなみに、塩化ナトリウムには、血行促進作用もあります。
血液の流れがスムーズになることで、歯茎の代謝が活発になり、歯周病でダメージを受けた歯茎の改善を助けます。
継続しやすい歯磨き粉を選ぶのも大切
歯周病予防のための歯磨き粉を選ぶ際は、前述したような成分が含まれているだけでなく、継続しやすいものを選ぶことも大切です。
具体的には、シンプルなミント味で、程良く発泡する歯磨き粉が継続しやすいです。
もちろん、人によって好みは異なりますが、塩ミントや薬草系の香味の歯磨き粉は、苦手と感じる方が多く、継続して使用するのは難しい印象であるため、最初に購入する製品としてはおすすめできません。
まとめ
ここまで、歯周病予防に効果的な歯磨き粉の成分について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
これらの成分のうち、一つでも多くの成分を含んでいる歯磨き粉であるほど、歯周病は予防しやすくなります。
歯磨き粉を選ぶときは、つい知名度や値段で決めてしまいがちですが、購入時には必ず裏面の成分表を確認してください。