歯周病は、知らず知らずのうちに発症している病気であり、一度発症すると、なかなか歯茎は元の状態に戻りません。
そのため、日頃から「自身は歯周病予備軍だ」という自覚を持ち、食生活についても気を付ける必要があります。
ここからは、歯周病予防の観点から避けるべき食べ物を中心に解説します。
歯周病予防の観点から避けるべき食べ物4選
以下のような特徴を持つ食べ物は、歯周病を予防したいのであれば、なるべく避けるのが無難です。
・免疫力を抑えるもの
・炎症を悪化させるもの
・歯周病菌を増やすもの
・質の悪い脂を含むもの
免疫力を抑えるもの
食生活のバランスが乱れていると、歯周病菌を撃退するための免疫力が抑えられてしまい、どんどん歯周病は進行します。
特に、以下のような食品は免疫力を抑える効果があるため、なるべく避けるようにしましょう。
・カップラーメン
・冷凍食品 など
炎症を悪化させるもの
歯周病は、歯周病菌が歯茎の炎症を起こしている状態ですが、辛いものや熱いものの刺激によっても、炎症は起こります。
また、食べ物が原因で起こる歯茎の炎症程度では、そこまで強い痛みを感じるようなことはありませんが、刺激によって歯茎を傷付けることもあるため、あまりにも辛い激辛料理や、熱い汁物などは避けるのが無難です。
歯周病菌を増やすもの
歯周病の主な原因は、磨き残しによって口内に滞在するプラークです。
また、プラークを形成しやすい食べ物は、歯周病菌を増殖させやすいため、なるべく避けるのが望ましいです。
具体的には、以下のようなやわらかくネバネバしているものや、糖を多く含むものには注意が必要です。
・チョコレート
・パン
・クッキー
・キャンディー
・清涼飲料水 など
質の悪い脂を含むもの
ドコサヘキサエン酸(DHA)をはじめとする質の良い脂は、歯周病予防に効果があるとされています。
こちらは、ナッツ類やゴマ、オリーブオイルなどに多く含まれています。
一方、以下のような食べ物には、トランス脂肪酸などのあまり質の良い脂が含まれているため、摂取するのは好ましくありません。
・ラード
・マーガリン
・ベーコン など
食事の摂り方にも注意が必要
歯周病を予防するためには、なるべく上記のような食べ物を避けるべきですが、摂取する内容だけでなく、摂り方にも注意が必要です。
以下のような食生活を送っている方は、歯周病のリスクが高くなります。
・外食が多い
・間食が多い
・寝る前に食べる
・やわらかいものばかり食べる
外食が多い
外食が多い方は、どうしても肉や脂肪、タンパク質、カロリーなどが過多になります。
また、歯周病予防に効果的なビタミンやミネラル、食物繊維などが大幅に不足することから、歯茎の炎症や出血、口臭といった症状が出やすい傾向にあります。
そのため、いつも昼休みに外食をしているような方は、注意しなければいけません。
間食が多い
食事を摂る回数は、基本的には1日3回です。
こちらの回数が多くなるほど、歯にプラークが付着しやすくなるため、栄養バランスなどに気を遣っていたとしても、歯周病のリスクは高くなります。
特に、お菓子などをダラダラ食べ続ける習慣は良くありません。
寝る前に食べる
夕食を摂ったにもかかわらず、その後寝る前に夜食を摂る習慣がある場合、たとえその後にブラッシングを行ったとしても、歯周病のリスクは高まります。
ブラッシングでは、完璧にプラークを落としたと思っていても、実際は十分に落とせていないということが多くあります。
また、このとき口内に残った糖分は、時間をかけて唾液によって溶かされ、本来であれば寝る前の間にかなり濃度が薄まります。
しかし、寝る直前に夜食を摂る場合、糖分が十分に溶かされないまま就寝し、寝ている間はほとんど唾液が分泌されなくなるため、どうしても虫歯や歯周病のリスクは上がります。
やわらかいものばかり食べる
現代の食べ物は、あまり噛まなくても食べられるような、やわらかい加工食品で溢れています。
このように、あまり噛まない食生活を続けていると、唾液がしっかり分泌されなくなり、細菌が口内に繁殖しやすくなるため、必然的に歯周病を発症しやすくなります。
口呼吸や歯ぎしりなどの習慣にも注意
普段鼻でなく口で呼吸していると、口が乾いて細菌が繁殖するため、歯周病につながりやすくなります。
こちらは、特に風邪やアレルギー性鼻炎などが原因で起こります。
また、就寝中に起こりやすい歯ぎしりは、歯に加わる咬合力により、歯茎や組織に炎症が起こり、歯周病を悪化させることがあります。
このような生活習慣については、あまり自覚症状がないことも多いため、非常に厄介です。
まとめ
ここまで、歯周病予防の観点から避けるべき食べ物や、良くない食事の摂り方などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
日頃忙しい方などは、どうしても食生活にまで気が回らず、歯周病のリスクを高めてしまいがちです。
しかし、歯周病が重度にまで発展してからでは遅いため、少しずつ食事の内容や摂り方を改善していくことをおすすめします。