歯周病予防として、日々丁寧にブラッシングを行ったり、歯科クリニックでスケーリングなどのケアを受けたりしている方は多いかと思います。
これらのケアは、当然歯周病のリスクを軽減しますが、私たちが毎日のように摂取するお茶にも、実は予防効果があります。
今回は、歯周病予防効果のあるお茶の種類を中心に解説します。
歯周病予防効果のあるお茶4選
ほとんどの方が、毎日何らかのタイミングでお茶を摂取しているかと思いますが、これらを摂取するだけも、歯周病予防の一環になります。
具体的には、以下のような種類のお茶がおすすめです。
・緑茶
・烏龍茶
・麦茶
・紅茶
緑茶
緑茶の中には、抗炎症作用のあるカテキンが含まれているため、歯周病予防に有効だとされています。
また、歯周病の原因であるプラークは、ブラッシングでも完全に取り除くことは難しいですが、緑茶に含まれるポリフェノールには、プラークの付着をある程度防ぐ効果もあります。
ちなみに、緑茶に含まれるフッ素は虫歯予防に有効ですし、フラボノイドは口臭対策としても機能します。
つまり、緑茶はさまざまな口内の問題を解決するお茶だということです。
烏龍茶
烏龍茶は、プラークの沈着を抑制し、歯周病を予防する効果があります。
烏龍茶に含まれる烏龍茶ポリフェノールには、歯周病の原因となるプラークが、歯と歯茎の間に沈着することを防ぎます。
また、烏龍茶ポリフェノールについては、プラークの付着に関する研究結果もあります。
18~43歳の男女31名に、試験開始前に口腔内検査と歯面清掃を行い、プラークを除去した後、2グループに分け、一方にはミネラルウォーターを、もう一方には烏龍茶を4日間、食事中と就寝中に飲ませ、4日目のプラークの沈着具合を検査するという研究が実施されました。
男女31名は、この間ブラッシングやマウスウォッシュなどの口腔内清掃を止め、緑茶や紅茶、コーヒー、お酒の摂取も控えていました。
その結果、ミネラルウォーターよりも烏龍茶を飲用していたグループの方が、プラークの沈着が抑制されることがわかっています。
麦茶
麦茶にも、実は歯周病予防の効果があります。
麦茶を摂取することで、細菌の生成を妨げる働きがあるため、就寝前に飲むと、歯に細菌が付着しにくい状態になります。
また、麦茶に含まれるミネラルは、歯茎の腫れや歯周病に効くビタミンCを効率的に摂取させる効果があります。
ビタミン類は、ミネラルがないと身体の中に取り込まれずに、体外に流れ出てしまうため、こちらの効果は非常に重要です。
ちなみに、麦茶にはカフェインが含まれていないため、一年中飲んでも歯に対する影響は極めて少ないです。
紅茶
紅茶に含まれる紅茶ポリフェノールには、抗菌作用があるため、歯周病菌や虫歯菌の増殖を抑えてくれます。
ある研究では、緑茶よりも紅茶の方がそのパワーが強いと報告されているほどです。
具体的には、食事の後、ブラッシングをする環境にない場合などには、紅茶を飲んだり、紅茶で軽く口をゆすいだりすることで、歯周病菌を抑えられます。
ただし、この場合、紅茶は無糖であることが必須です。
糖分が含まれていると、虫歯菌が増殖しやすくなるため、逆効果になってしまいます。
また、歯周病予防として紅茶を摂取するのであれば、レモンティーも避けるべきです。
レモンティーの場合、口内が酸性になってしまい、歯周病や虫歯に次ぐ第三の口腔疾患を引き起こす危険があるからです。
こちらは酸蝕歯と呼ばれるもので、発症すると虫歯ではないにもかかわらず、歯が溶けてしまいます。
歯周病予防効果のあるお茶以外の飲み物
歯周病予防効果が期待できるお茶以外の飲み物としては、コーヒーが挙げられます。
コーヒーは、活性酸素を抑える作用があります。
活性酸素は歯周病の原因の一つで、歯茎の中で増えると組織を破壊してしまいますが、適度にコーヒーを摂取していれば、そのリスクは軽減されます。
ただし、コーヒーも紅茶と同じで、砂糖入りのものは避けなければいけません。
糖分が含まれていると、虫歯になりやすいだけでなく、口内が酸性に傾くことで歯のエナメル質が溶けやすくやり、酸で歯が溶ける状態になってしまいます。
こちらは、知覚過敏の原因になり、進行すると噛み合わせの悪化、抜歯などにつながるおそれもあります。
ちなみに、コーヒーのpH値は6.2ほどであり、こちらはお茶と同じく中性に近いため、無糖であれば口内が酸性に傾く可能性は低いです。
しかし、ダラダラと飲み続けると、唾液によって中和されず、口内が酸性に傾いた状態になりやすいため、油断は禁物です。
まとめ
ここまで、歯周病予防効果のあるお茶を中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回紹介したお茶については、歯周病予防効果が期待できますが、こちらはあくまでブラッシングなど、基本的なケアを並行することが前提です。
「お茶を飲んでいるから大丈夫」と考え、ブラッシングをしなかったり、歯科クリニックでのプロフェッショナルケアを受けなかったりしてはいけません。