歯周病が悪化し、重度にまで進行すると、歯が抜け落ちたり、回復させるのが困難になったりすることは、多くの方がご存知の事実です。
しかし、それに比べて、日頃から正しい歯周病対策ができている方は、あまり多くありません。
今回は、間違った歯周病ケアの方法について解説したいと思います。
間違った歯周病ケアの方法6選
普段良かれと思って行っていることでも、実はそれは歯周病に対して正しくアプローチできていないということがあります。
特に、以下のような間違った歯周病ケアには注意が必要です。
・電動歯ブラシを使用する
・フロス、歯間ブラシのいずれかのみ使用する
・研磨剤入りの歯磨き粉を使用する
・やわらかいものばかり食べる
・野菜ばかり食べる
・起きてすぐ白湯を飲む
電動歯ブラシを使用する
近年は、電動歯ブラシを使用してブラッシングをする方が増えています。
各メーカーの電動歯ブラシには、汚れをかき出し、歯周病の原因となる汚れを落とす技術が搭載されています。
しかし、電動歯ブラシを使用している方の口内は、得てしてきちんと磨けていないケースが多いです。
電動歯ブラシが行ってくれるのは、あくまでブラシを小刻みに動かす作業です。
そのため、電動歯ブラシの使用自体が悪いというわけではありませんが、自身で磨きたい場所まできちんと移動させなければ、効果的な歯周病ケアとはなりません。
フロス、歯間ブラシのいずれかのみ使用する
歯周病ケアの一環として、歯ブラシの他にフロスや歯間ブラシを使用しているという方も多いですが、いずれか一方だけ使用するのは、歯周病ケアの方法としては正しくありません。
フロスと歯間ブラシは、使用目的が異なります。
フロスは歯と歯の接触面の汚れを落とすものであるのに対し、歯間ブラシは歯ブラシでは届かない歯と歯の間の汚れをかき出すものです。
そのため、両方使用することで初めて、歯周病の原因となるプラークを十分に除去できます。
研磨剤入りの歯磨き粉を使用する
歯磨き粉の中には、歯の表面を磨き、白く見えるようにするホワイトニング効果を持つものがあります。
このような歯磨き粉に多く含まれているのが、歯の表面を磨く研磨剤です。
研磨剤入りの歯磨き粉の方が、しっかりと汚れを落とせそうであることから、愛用している方も多いかと思いますが、歯周病ケアの観点でいうと、こちらはあまり好ましくありません。
歯周病で歯茎が下がっている場合、象牙質というやわらかい部分が表面に出てくるため、研磨剤によってこちらを削ってしまうリスクがあります。
やわらかいものばかり食べる
「できるだけ歯や歯茎に優しいものを」と考え、日頃やわらかいものを多く食べているという方もいるかと思いますが、こちらも歯周病ケアとしては正しくありません。
やわらかい食べ物ばかりでは、当然咀嚼の回数が減ってしまいます。
咀嚼をすることで、食べ物がよく擦れ、ブラッシングと同じような効果が得られる可能性もありますし、口内が唾液で潤い、汚れが洗い流されることにもつながります。
そのため、むしろしっかりと噛み応えのあるものを摂取しなければいけません。
野菜ばかり食べる
歯周病を身体の内側から予防するために、野菜ばかりを率先して食べているという方もいるかと思います。
例えば、ピーマンやホウレンソウ、ニンジン、トマトなどの野菜は、免疫力を高め、歯周病菌に感染しにくい口内環境をつくり出します。
また、ゴボウやレタスなどは、直接線維が歯の表面を清掃し、歯周病を予防する効果があります。
しかし、歯周病を予防するには、これらの野菜だけを摂取するのは良くありません。
あくまで、多ジャンルの食材をバランス良く摂取することが大切です。
そのため、歯周病ケアを行うのであれば、歯槽骨のために肉やチーズ、小魚などからカルシウムを摂取したり、緑茶からカテキンを摂取したりすることも意識しなければいけません。
起きてすぐ白湯を飲む
近年行っている方が多い健康法の一つに、朝起きてすぐに白湯を飲むというものがあります。
こちらは、内臓を目覚めさせ、働きを高めたり、身体を温めて基礎代謝をアップさせたり、むくみを解消させたりする効果があります。
また、こちらは身体の健康法としては正しいですが、歯周病予防の観点でいうと、朝起きてすぐ白湯を飲むことはおすすめできません。
こちらは、寝ている間に増殖した歯周病菌をそのまま飲み込んでしまうことにつながります。
もし、白湯を使った健康法を実践したいのであれば、朝起きてまずブラッシングを行い、口内をキレイにしましょう。
口内の悪い細菌を吐き出した後であれば、飲んでも問題ありません。
まとめ
ここまで、間違った歯周病ケアの方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
歯周病を予防するため、健康のためと思って行っていることが、歯周病の発症や悪化のリスクを高めているというケースは、残念ながら少なくありません。
もし、歯周病ケアについて詳しく知りたいのであれば、定期的に歯科クリニックで歯石除去やクリーニングを行い、その際にアドバイスをもらいましょう。