インプラント治療は、入れ歯やブリッジとともに、失った歯を補う治療として非常にポピュラーなものです。
しかしインプラント治療を受けようとする方の中には、治療内容や安全性などに疑問を持ち、なかなか治療に踏み切れないという方もいるでしょう。
今回は、インプラント治療のよくある疑問にお答えします。
インプラント治療は安全なのか?
インプラント治療は顎の骨に人工歯根を埋め込む治療であるため、安全性が気になる方は多いでしょう。
結論からいうと、インプラント治療は極めて安全な治療です。
治療の前には、問診や血液検査などによる健康状態のチェック、レントゲンやCT画像などを参考にした治療計画のシミュレーションが行われます。
これらの作業により、インプラント治療が可能と判断される場合のみ治療が開始されるため、安全性は十分に考慮されていると言えます。
またインプラント治療で使用する人工歯根には、チタンという金属が使用されています。
チタンは数ある金属の中でも、人体との親和性が高いことで知られていて、金属アレルギーなどのリスクもほとんどありません。
インプラントは一生使用できるのか?
インプラントは限りなく天然歯に近い人工歯を装着する治療法ですが、こちらは一生使用できるとは限りません。
一般的に、インプラントの寿命は10~15年程度です。
また10~15年という寿命は、毎日のメンテナンスを欠かさずに行った場合の寿命です。
場合によっては、もっと早く機能性が失われることもあります。
ただしブラッシングなどのセルフケアをこまめに行い、なおかつ歯科クリニックでのメンテナンスを継続すれば、15年以上使用し続けることも可能です。
インプラントの治療期間はどれくらい?
歯科クリニックに通う時間をなかなか確保できない方などは、インプラント治療にかかる期間について気になっているでしょう。
治療期間については、患者さんの顎の状態によって大きく変わってきます。
例えば顎の骨吸収が進んでいて、骨を増やす手術を事前に行わなければいけない場合は、最終的に上部構造(人工歯)が入るまでに1年近くかかることもあります。
ただし、一般的には上顎が5~8ヶ月程度、下顎が4~7ヶ月程度で完了するケースが多いです。
歯科クリニックを訪れる回数については、上顎の場合で6~8回程度、下顎の場合で3~5回程度です。
そのため仕事などが忙しく時間がない方でも、ある程度は時間を確保しなければいけません。
インプラント治療は痛みがある?
インプラント治療を行おうとする方の中には、歯科治療全般が苦手な方もいるでしょう。
このような方の多くは、インプラント治療の痛みについて気になっているかと思います。
インプラント治療中については、痛みが発生する可能性はほとんどありません。
なぜなら、局所麻酔を行うからです。
特に痛みに敏感な患者さんは、静脈内鎮静法による痛みの軽減が可能です。
静脈内鎮静法は点滴を取って鎮静剤を投与する方法であり、痛みだけでなく治療の不安や時間の経過などもほとんど感じません。
また外科治療を伴うため、治療後はある程度痛みがありますが、こちらも痛み止めの服用で押さえられる程度です。
激痛が伴う心配はほとんどありません。
インプラント治療当日は入院しなければいけない?
インプラント治療は入院を伴うと思っている方もいるかもしれませんが、実際はその日のうちに帰宅できます。
処置の内容や治療を行う歯の本数などによって変わってきますが、午前中に治療を行う場合、お昼前には完了します。
そのため、当日の時間さえ確保できれば問題ありません。
静脈内鎮静法を併用してインプラント治療を行った場合は、治療後麻酔の影響がないことを確認しなければいけないため、少しの間歯科クリニックで安静にします。
しかし、入院をする必要はありません。
インプラントが破損することはあるのか?
インプラントは非常に丈夫なつくりになっていますが、破損する可能性はゼロではありません。
例えば転倒した拍子に強い負荷がかかった場合や、継続的な歯ぎしりや食いしばりがあった場合などは、破損する可能性があります。
これらのリスクをすべて排除するのはなかなか難しいですが、歯科クリニック選びと日々のメンテナンスを徹底すれば、ある程度破損のリスクは抑えられます。
優良な歯科クリニックは、口内全体の噛み合わせを十二分に考慮した治療設計を元に、インプラント治療を進めてくれます。
またこのような問題のない治療を受けた上で、患者さん自身がメンテナンスやセルフケアを徹底すれば、快適に長く使用することができます。
まとめ
インプラント治療に対して疑問点がある方は、本記事を参考に、できる限りそういった点をなくした上で治療を受けましょう。
またインプラント治療の前には、必ず歯科クリニックの医師とのカウンセリングが実施されます。
カウンセリングでは治療の内容や流れ、リスクや費用などについて説明が受けられますが、このとき不明な点があれば遠慮せずに質問することをおすすめします。