親御さんは自身の子どもについて、キレイな歯並びで育ってほしいと考えるものです。
また、現時点で歯並びや噛み合わせに問題がある場合、矯正治療を受けさせようと考えるでしょう。
このような場合の選択肢の一つに、マウスピース矯正があります。
今回は、子どものマウスピース矯正における概要やメリットなどを解説します。
子どものマウスピース矯正の概要
子どものマウスピース矯正は、歯科クリニックで作製した透明なマウスピースを上下の歯に装着し、特定の期間使用する矯正方法です。
子どもの歯並びの修正、噛み合わせの改善を目的としたものです。
マウスピースは、歯科クリニックで行われるデジタルスキャンやアナログ構造の歯型採取を通じて作製されます。
これにより、子どもの歯並びや噛み合わせにピッタリ合ったマウスピースを使用することができます。
子どものマウスピース矯正におけるメリット4選
子どものマウスピース矯正には、主に以下のようなメリットがあります。
・顎の成長を促進する
・透明で目立ちにくい
・大人より痛みが少ない
・取り外しが簡単
各メリットについて詳しく説明します。
顎の成長を促進する
子どものマウスピース矯正には、顎の成長を促進するというメリットがあります。
こちらは、マウスピース矯正の仕組みが関係しています。
近年、子どもの食生活の変化により、あまり噛まなくても良い食事が増えました。
こういった食生活は、口周りの筋肉の発達や顎の成長に影響を与えています。
昭和初期に比べると、現代の子どもは日々の食事で噛む回数が大幅に減少していて、口腔周囲の筋肉や顎の発達が不十分です。
そのため、歯並びが悪化しやすい状況になっています。
マウスピース矯正は、トレーニングによって口周りの筋肉を強化し、顎の成長を促すものです。
食事だけでは得られない咀嚼運動をカバーすることで、口周りの筋肉のバランスを整え、顎の発達を助けます。
これにより、永久歯が整って生えるスペースを確保できます。
透明で目立ちにくい
子どものマウスピース矯正には、装着する矯正装置が透明で目立ちにくいというメリットもあります。
ワイヤー矯正などの金属を使用した矯正装置では、金属部分が外側から見えてしまうことがあります。
そのため、お世辞にも審美性が高いとは言えません。
特に子どもの場合、見た目へのコンプレックスを感じることが多く、日常生活で口を大きく開けられないなどの弊害が出る可能性もあります。
一方、マウスピース矯正では、透明なプラスチックでできた装置を使用します。
周りから気付かれず、着実に矯正治療を進めていくことが可能です。
大人より痛みが少ない
子どものマウスピース矯正は、大人になってから行う矯正治療よりも痛みが少ないです。
なぜなら、子どもの顎はまだ成長段階だからです。
子どもの顎は成長段階であり、大人に比べると骨がやわらかく、歯が移動しやすいです。
骨がやわらかいことで、それほど強い痛みを感じません。
また大人の矯正治療では抜歯が必要になることもありますが、子どものうちに矯正しておけば、キレイな骨格や歯並びになるように促せます。
そのため、将来的な抜歯のリスクは減少します。
つまり子どものマウスピース矯正は、治療時の痛みだけでなく、将来的な痛みも軽減できる方法だということです。
取り外しが簡単
子どものマウスピース矯正は、他の矯正方法に比べて装置の取り外しが容易です。
ワイヤー矯正の場合、食事やブラッシングのときも矯正装置をつけたままになるため、食べにくさやブラッシングのしにくさを感じます。
歯と矯正装置が常に重なっていることから、磨き残しも出やすいです。
一方、マウスピース矯正は取り外しができるため、食事やブラッシングの際の不便さは少ないです。
また、ワイヤー矯正は、金属のブラケットワイヤーがついているため、装着時に痛みや違和感を覚えることがあります。
その点マウスピース矯正はフィット感が高く、簡単に装着できる上に、違和感や痛みを最小限に抑えることができます。
子どものマウスピース矯正における注意点
子どものマウスピース矯正には数々のメリットがありますが、親御さんの協力が必須です。
親御さんの正しい指導や監督がなければ、当初の計画通りに治療が進まず、矯正効果が下がってしまうおそれがあります。
また、子どものストレスが溜まりやすい点にも注意が必要です。
マウスピース矯正の装置は取り外しが可能ですが、矯正期間は長期に及びます。
そのため、子どもは装着に慣れるまで、ストレスを抱えながら生活することになります。
このような観点からも、親御さんのサポートは必要不可欠だと言えます。
まとめ
子どものマウスピース矯正は、歯並びの改善や口腔習癖の改善などに効果のある矯正方法です。
また、矯正治療を受けていることがわかりにくく、なおかつ少ない痛みで歯を移動させられます。
ただし、1~3年は継続して行う必要があるため、子どもにとってストレスになる可能性は否めません。
親御さんは子どもをサポートすると同時に、矯正治療を受けることの大事さを伝えるようにしましょう。