矯正治療は歯並びや噛み合わせの問題を改善し、咀嚼や発音、ひいては全身の不具合を解消するために行うものです。
また、こちらの治療を受けることによる意外な効果として、ダイエット効果が挙げられます。
今回は、矯正治療がダイエットにつながる仕組みについて解説します。
矯正治療がダイエットにつながる理由6選
矯正治療でダイエット効果を得られる理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・食欲が減る
・間食が減る
・糖分のある飲み物の摂取量が減る
・噛み合わせが良くなる
・運動能力がアップする
・フェイスラインがスッキリする
各項目について詳しく説明します。
食欲が減る
矯正治療がダイエットにつながる理由としては、まず食欲が減退することが挙げられます。
こちらは、矯正装置における異物感や痛みが出るからです。
矯正治療を始めたばかりの頃は、装置の装着に慣れていないことから、口内の異物感が強くなります。
また少しずつ歯が動き始めると、矯正治療の開始から3日~1週間くらいは、多少の痛みが出ることも考えられます。
異物感や痛みの感じ方は人それぞれですが、多くの方はこれらの影響により、以前よりも食欲が減退します。
食欲が減れば食事の摂取量、摂取カロリーも必然的に減少するため、ダイエット効果が得られます。
間食が減る
間食が減ることも、矯正治療がダイエットにつながる理由の一つです。
こちらは、特にワイヤー矯正などの固定式の矯正装置を装着する場合に言えることです。
ワイヤー矯正の場合、固定式のため常に装置を装着し続けなければいけません。
食事やブラッシングも装着したままで行います。
また矯正装置を装着したまま食事を摂ると、当然隙間に食べカスが溜まるため、基本的には食事をするごとにブラッシングをしなければいけません。
装置をつけたままのブラッシングは、何もつけていない場合と比べて手間がかかります。
そのため、何度もブラッシングをするのが面倒になり、自然と間食が減ることが多いです。
糖分のある飲み物の摂取量が減る
矯正治療中は、糖分のある飲み物の摂取量が減る傾向にあります。
こちらも矯正治療がダイエットにつながる理由です。
マウスピース矯正など、取り外しが可能な矯正方法の場合、装置を装着したままでも飲み物を飲むことができます。
しかし、このとき摂取できるのは水や無糖の炭酸水などに限られます。
装着したままで甘いジュースなどを飲むと、歯とマウスピースの間に糖分が溜まり、虫歯や着色のリスクが高まるからです。
そのためこれまで甘い飲み物を好んでいたという方も、矯正治療を開始すれば摂取量が減少し、ダイエットにつながる可能性があります。
噛み合わせが良くなる
冒頭で触れた通り、矯正治療は歯並びや噛み合わせの問題を改善することが目的の治療です。
また予定通り治療を完了し、問題が改善されれば、ダイエットにもつながります。
歯並びや噛み合わせは、咀嚼のしやすさに大きく影響します。
治療によってしっかり上下の歯が噛み合うようになると、咀嚼がしやすくなり、必然的に噛む回数も増えます。
そのため満腹中枢が刺激され、これまでより少ない食事量でも十分にお腹を満たすことができます。
運動能力がアップする
矯正治療を受けて歯並びや噛み合わせが改善すると、運動能力がアップします。
そのため、ダイエットをしやすい身体がつくられます。
歯並びや噛み合わせが良くなると、骨格筋に好影響を与えることにつながります。
その結果筋力がアップしたり、身体の軸がぶれにくくなってバランスが取りやすくなったりします。
また筋力や体幹などについては、運動機能の向上には欠かせません。
もちろん運動機能がアップすれば、その分動きやすくなって脂肪を燃焼させやすくなります。
実際プロのアスリートの中には、自身のベストパフォーマンスを引き出すために、矯正治療を受ける方もいるくらいです。
フェイスラインがスッキリする
こちらは正確に言うとダイエット効果とは少し違いますが、矯正治療を受けることでフェイスラインがスッキリすることがあります。
こちらは、治療によって顔の歪みなどが改善されることが理由です。
例えば噛み合わせが悪い方は、食事をするときに左右いずれかのみで噛む癖がつきやすいです。
このような咀嚼の仕方を続けていると、次第に顔の筋肉のバランスが崩れ、顔が歪むことがあります。
また出っ歯の方は、上の前歯が前方に突出していることから、顔が大きく見えてしまうことが考えられます。
矯正治療を行い、上記のような不正咬合を改善できれば、以前よりも顔がスッキリしたように見えます。
つまり痩せたように見えるということです。
まとめ
矯正治療をダイエット目的で行う方はいないかもしれませんが、痩せられる可能性があることを知っておいて損はないでしょう。
しかし矯正治療の注意点をしっかり守らなければ、矯正効果は十分に得られませんし、当然ダイエット効果も期待できません。
矯正方法に関係なく、当初の予定通りに治療を進めることで、初めて効果が現れます。