矯正治療には小児矯正と成人矯正があり、これらは正確には治療内容の異なるものです。
また歯科クリニックの中には、これら両方の矯正治療に対応しているところも多く、親子で揃って治療を受けることも可能です。
今回は、親子で矯正治療を受けることのメリットを解説します。
親子で矯正治療を受けるメリット4選
親子同時に矯正治療を受けることのメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・痛みや違和感を共有できる
・安心感がある
・親子の口腔ケアの意識が高まる
・矯正治療の知識が深まる
各メリットについて詳しく説明します。
痛みや違和感を共有できる
親子で矯正治療を受けることにより、治療中に発生する痛みや違和感を共有できます。
こちらは、親御さんがより子どものサポートをしやすくなります。
矯正治療では、歯が移動し始めたとき、矯正装置が口内に触れたときなどに、痛みや違和感を覚えることがあります。
もし子どもだけで矯正治療を行っていれば、どれくらいの痛みや違和感なのかわからない親御さんは、対処が難しくなります。
一方親御さんも一緒に矯正治療を受けることで、「こうすれば痛みがなくなる」「このような食べ物が食べやすい」といったように、具体的なアドバイスをしやすくなります。
もちろん、反対に親御さんが子どもから痛みの減らし方、違和感を少なくする方法などを教えてもらえる可能性もあります。
安心感がある
親子で矯正治療を受ける場合、当然どちらも同じ歯科クリニックに通うことになります。
そのため、親御さんは歯科クリニックの雰囲気、歯科医師の印象などを把握でき、安心して子どもに矯正治療を受けさせることができます。
また子どもにとっても、親御さんとともに治療を受けることで、安心感を得られるというメリットがあります。
子どもの多くは歯科クリニックに苦手意識を持っていて、特にこれまで通ったことがないところを一人で訪れるのはとても不安です。
このような場合でも、親御さんと毎回一緒に治療を受けることができれば、不安や恐怖心は大幅に軽減されます。
親子の口腔ケアの意識が高まる
親子で矯正治療を受ければ、それぞれの口腔ケアに対する意識が高まります。
なぜなら、矯正治療中はブラッシングなどのケアを徹底しなければいけないからです。
特にワイヤー矯正など、固定式の矯正装置を使用する場合、装置の間に食べカスやプラークが溜まる可能性が高いです。
そのため、これまで以上にブラッシングを丁寧に行わなければいけません。
また、矯正治療が完了した後も同じような意識を持ち続けていれば、口内環境は常に清潔に保たれます。
ちなみに、親御さんがしっかり口腔ケアをしているのを見た子どもは、それに続くように自然と口腔ケアができるようになります。
こちらも、親子同時に矯正治療を受ける大きなメリットです。
矯正治療の知識が深まる
親子で矯正治療を受けることにより、親御さんにおける矯正治療の知識が深まります。
冒頭でも触れた通り、小児矯正と成人矯正は同じ矯正治療ではあるものの、治療内容が異なります。
特に大きな違いは、小児矯正には第一期治療が存在する点です。
第一期治療は、子どもの成長を利用してキレイな歯並びの土台をつくるものであり、その後第二期治療で歯を動かします。
親御さんが受ける成人矯正は、上記でいう第二期治療にあたるものです。
つまり、親御さんが自ら成人矯正を受けることで、今後子どもが受けることになる第二期治療の予習ができるということです。
親子で矯正治療を受ける場合の注意点
親子で矯正治療を受ける場合、以下の点には注意が必要です。
・同時に終了するのが難しい
・治療費が高額になる
親子で同時に矯正治療を開始しても、同時に終了させるのは難しいです。
なぜなら小児矯正と成人矯正で治療内容は異なりますし、歯並びや噛み合わせなどにも個人差があるからです。
そのため親子で力を合わせて治療を続けていても、親御さんが先に終了すると、子どものモチベーションが著しく下がってしまう可能性があります。
もし親御さんが先に終わってしまったら、子どもが最後まで治療を続けられるように、適切な声掛けなどのサポートが必要になります。
また親子で矯正治療を受けると、シンプルに治療費がかかりやすくなります。
子どもの第一期治療のみの場合は、それほど費用が高額になる心配はありません。
しかし第二期治療や親御さんの成人矯正は本格的な治療であるため、経済的な余裕がなければ治療費を支払うのは難しいでしょう。
具体的には、親子同時に受けた場合、数百万円単位の治療費がかかることも珍しくありません。
まとめ
親子で矯正治療を受けることは、親御さんにとっても子どもにとってもメリットのあることです。
親御さんは子どものサポートをよりしやすくなりますし、子どもは不安や嫌悪感を抑えつつ治療を受けることが可能になります。
金銭的な問題などから、誰でも選択できる方法ではありませんが、子どもの将来を考えるのであれば、ぜひ検討していただきたい方法だと言えます。