子どもの歯の健康は、子ども自身だけでなくその親御さんも一緒になって守らなければいけません。
子どもが行うデンタルケアだけでは、虫歯や歯周病のリスクが大幅に高まります。
また親御さんが行うサポートとしては、子どもの仕上げ磨きが挙げられます。
今回は、仕上げ磨きを行うにあたっての主な注意点を解説します。
子どもの仕上げ磨きにおける7つの注意点
仕上げ磨きを行う場合は、以下の点に注意してください。
・優しく磨く
・歯磨き粉を少量にする
・子どもが寝る直前は避ける
・話しかける
・赤ちゃんにはガーゼを使用する
・長く磨きすぎない
・歯ブラシをくわえたまま歩かせない
各項目について詳しく説明します。
優しく磨く
仕上げ磨きを行う際は、優しい力で丁寧にブラッシングしなければいけません。
親御さんとしては、少しでも子どものプラークを除去したいと考えるかと思いますが、強く磨くと歯や歯茎のダメージが大きくなります。
また親御さんにとって軽い力でも、子どもは強く感じる可能性があるため、少し弱いくらいの力で十分です。
歯磨き粉を少量にする
仕上げ磨きでは歯磨き粉を使用しますが、こちらは少量で大丈夫です。
歯磨き粉をつければつけるほど、虫歯予防効果はアップすると考える方もいるかもしれませんが、その認識は正しくありません。
歯磨き粉の量が多いと、しっかりと汚れを確認しながら磨くことができません。
また泡立ちがすごいと、少し磨いただけで磨けた気になってしまいます。
そのため、歯磨き粉の量の目安は6ヶ月~2歳で約3mm、3~5歳で約5mmと覚えておきましょう。
子どもが寝る直前は避ける
仕上げ磨きは基本的に夜の時間帯に行うものですが、子どもが寝る直前は避けるのが無難です。
寝る直前に磨くと、もう少しで寝るところだった子どもが目を覚ましてしまいます。
また「起こされた」と感じた子どもは不機嫌になり、仕上げ磨きのときにぐずったり、その後もなかなか寝付かなかったりすることが考えられます。
そのため、仕上げ磨きは寝る直前ではなく、夕食後すぐのタイミングなどで行うのが望ましいです。
話しかける
仕上げ磨きを行う際、親御さんは適度に子どもへ声をかけるようにしましょう。
「キレイになっているね」「痛くない?」「もう少しだからね」などと声をかけるで、ブラッシングが苦手な子どもも「最後まで頑張ろう」という気持ちが強くなります。
また仕上げ磨きが完了した後は、必ず「よく頑張ったね」と声をかけてあげましょう。
こうすることにより、次の仕上げ磨きのモチベーションがアップします。
赤ちゃんにはガーゼを使用する
生後数ヶ月の赤ちゃんに対して仕上げ磨きを行う場合、最初からいきなり歯ブラシを使用してはいけません。
このとき使用するのは、仕上げ磨き用のガーゼです。
ガーゼを指に被せ、そのまま歯の汚れを拭き取るようにすることでも、十分赤ちゃんの虫歯予防になります。
ちなみに歯ブラシを使用すると、口内の粘膜が傷ついたり、泣いてしまって仕上げ磨きが進められなかったりします。
長く磨きすぎない
仕上げ磨きの時間については、3分以内で終わらせることを意識しましょう。
長い間仕上げ磨きを行うと、子どもは泣いてしまう可能性がありますし、仕上げ磨きに対して嫌なイメージを植え付けてしまうこともあります。
また長時間の仕上げ磨きは、子どもの唾液を多く分泌させることにもつながります。
このとき分泌された唾液は、徐々に子どもの口内に溜まるため、いつまでも磨いていると苦しい思いをさせてしまいます。
歯ブラシをくわえたまま歩かせない
一度仕上げ磨きを開始したら、親御さんは最後まで子どもを移動させないようにしましょう。
特に、歯ブラシをくわえたまま移動させると、転倒して歯ブラシが喉に刺さってしまうおそれがあります。
子どもにおける歯ブラシの喉突き事故は、1~3歳くらいでよく見られるため、これくらいの年齢の子を持つ方は特に気を付けてください。
ちなみに、子どもの体勢を変えていなくても、歯ブラシをくわえたままにしておくことは基本的にNGです。
前もって準備を完璧にしておき、磨き始めから磨き終わりまで、一度も手を止めないのが理想的です。
一般的な仕上げ磨きのポイント
子どもの仕上げ磨きを行う際は、歯ブラシの毛先をきちんと歯の面に当て、毛先が広がらないようにゆっくりと磨きます。
歯ブラシを動かす幅については、5~10mm程度を意識し、1~2本の歯を順番に磨いていくイメージです。
こちらの基本的な方法を習得していなければ、前述した注意点を押さえていたとしても、子どもが嫌がってしまうおそれがあります。
まとめ
仕上げ磨きを始めて行う場合、なかなかうまく磨けずに四苦八苦することも多いでしょう。
また子どもが嫌がったり、泣きじゃくったりしている場合、前述したポイントを押さえられていない可能性があります。
そのため、常に子どもに寄り添い、痛みや気持ち悪さなどが少ない仕上げ磨きを目指しましょう。
子どもの将来のためにも、親御さんの正しい仕上げ磨きは必要不可欠です。