保険診療の場合、1回で治療できる範囲が決まっているため、虫歯を完治させるには何度か歯科クリニックに足を運ばなければいけないケースが多いです。
また治療中は仮の詰め物などで生活しますが、このときにはやってはいけないことがいくつかあります。
今回はこちらの内容について解説します。
虫歯の治療中にやってはいけないこと7選
虫歯の治療が完全に終わるまでの間、以下の行動は避けるようにしましょう。
・治療している側の歯で噛む
・硬いものを食べる
・粘着性のあるものを食べる
・患部を触る
・飲酒
・サウナ
・飛行機に乗る
各項目について詳しく説明します。
治療している側の歯で噛む
まだ虫歯を治療している途中の場合、治療している側の歯で食べ物を噛んではいけません。
治療している途中ということは、まだ完全に虫歯の処理ができていないということであり、噛むことによって痛みが生じる可能性があります。
また治療中に充填する仮の詰め物は、すぐに外せるようにつくられています。
そのため、治療している側の歯で噛むと、簡単に外れてしまうおそれがあります。
硬いものを食べる
虫歯の治療中は、治療している側の歯を避けていたとしても、硬いものを食べない方が良いです。
健康な天然歯で噛み切ったとしても、その後無意識に歯列全体に行き渡らせてしまい、結果的に治療箇所で硬いものを噛んでしまう可能性があります。
また虫歯を治療している部分は、通常の天然歯と比べて耐久性が低いため、硬いものを噛むと欠けてしまうことが考えられます。
ちなみに歯の神経に近い深い場所で歯が欠けてしまうと、時間をかけて歯を引っ張り出す挺出という処置が必要になることもあります。
最悪の場合、その歯はもう使えないと判断され、抜歯を余儀なくされることもあるため、注意が必要です。
粘着性のあるものを食べる
ガムやキャラメルなど、粘着性のある食べ物についても、虫歯の治療中は食べないことをおすすめします。
なぜなら、仮の詰め物がくっついてしまい、引っ張られるように外れる可能性があるかです。
前述の通り、虫歯治療中の仮の詰め物は強度が高くありません。
そのため、天然歯で噛む分には問題ない程度の粘着度であっても、簡単に外れる原因になります。
患部を触る
虫歯の治療期間中は、仮の詰め物が入っている感覚が気になるかと思いますが、こちらはなるべく触らないようにしましょう。
触ると痛みが出やすくなりますし、詰め物が外れる原因にもなりかねません。
またここでいう患部を触るというのは、指で触ることだけでなく、舌で触ることも含まれています。
指で触ると患部に細菌が侵入しやすくなりますし、舌で触れると仮の詰め物の形態などに異常が生じることがあります。
ちなみに、歯に詰まった食べカスを爪楊枝などで取り除く方もいますが、虫歯を治療している側の歯でこのような行動は絶対行ってはいけません。
飲酒
普段毎日のようにお酒を飲むという方も少なくないかと思いますが、虫歯の治療中はなるべく飲酒を避けるべきです。
アルコールには血管を拡張する作用があり、出血しやすくなったり、治療中の出血が止まりにくくなったりします。
またアルコールは、麻酔薬の効果に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、今後も虫歯治療を継続していく場合は、基本的に控えるべきです。
ちなみにアルコールを摂取すると、身体の抵抗力が下がり、感染症などのリスクも高まります。
サウナ
虫歯治療中は、サウナもできるだけ控えるのが良いでしょう。
こちらは血行が良くなることにより、痛みが増す可能性があるからです。
特に根管治療の途中である場合は、血行が促進される行為を避けるべきです。
また虫歯治療の当日については、長時間の入浴も好ましくありません。
サウナに入ったときと同じように、血行が促進され、なかなか患部の出血が止まらないからです。
飛行機に乗る
意外な注意点でいうと、虫歯の治療中は飛行機にも乗らないことをおすすめします。
特に根管治療を行っている場合は要注意です。
根管治療では、治療の過程で歯の根に空気が入り込んでしまうことがあります。
そのままいつも通り生活する分には問題ありませんが、飛行機に搭乗すると歯の根にある空気が膨張し、神経を圧迫して痛みにつながるおそれがあります。
また普段飛行機に乗り慣れていない方は、飛行機の事故やトラブルなどに対し、少なからず不安を抱えていることでしょう。
このような不安やストレスが、治療中の虫歯の痛みにつながることも考えられます。
そのため、旅行などを行う方は、虫歯が完治してからにするべきです。
まとめ
虫歯治療は、病変部をすべて除去し、詰め物や被せ物を装着してやっと完了するものです。
そのため、1回目の治療を受けたからといって、それだけで満足してはいけません。
また完全に虫歯が治ってからも、これまでと同じような生活習慣だと、再び虫歯を発症する可能性が高いです。
ブラッシングの方法や食生活などの生活習慣を見直し、極力虫歯が再発しないようにすることが大切です。