普段水やお茶、ジュースなどを飲むとき、そのままコップの縁に口をつけて飲むという方がほとんどだと思います。
特に大人の方は、お店以外であまりストローを使う機会がありません。
しかし予防歯科の観点からいうと、ストローを使う方がメリットは多いです。
今回は、ストローで飲み物を飲む主なメリットについて解説します。
ストローで飲み物を飲むメリット5選
ストローで飲み物を飲むことにより、以下のようなメリットが生まれます。
・虫歯のリスクが下がる
・歯が着色しにくくなる
・口腔の発達を促す
・ジュースの飲みすぎを防ぐ
・血餅が保護される
各メリットについて詳しく解説します。
虫歯のリスクが下がる
ストローを使用することにより、虫歯のリスクが軽減します。
こちらは、砂糖が入ったジュースや炭酸飲料などを飲むときに言えることです。
甘いジュースは、口内全体に砂糖が行き届いてしまうため、摂取すると虫歯のリスクが高くなります。
特にジュースとお菓子をあわせて食べると、お菓子の粘着性が増して歯に詰まりやすくなり、より発症しやすくなります。
このときストローを使用すれば、歯に直接触れずにジュースを飲むことができます。
つまり、口内全体に砂糖が行き渡るのを防止できるということです。
もちろんジュースを飲んでいる以上、100%虫歯を予防できるわけではありませんが、コップに口をつけて飲むケースに比べるとかなりリスクは軽減されます。
ちなみに、ストローを前歯付近で軽く噛んで飲むと、ジュースが歯に触れてしまう可能性が高まります。
そのため、ストローはなるべく口の奥の方、喉の近くに持っていくのがポイントです。
ただし、喉に近づけすぎると嘔吐反射が起こる可能性があるため、注意してください。
歯が着色しにくくなる
ストローを使用して飲み物を飲むことには、歯が着色しにくくなるというメリットもあります。
歯が着色しやすい飲み物には、色の濃い色素や酸性成分を含むものが挙げられます。
具体的にはコーヒーや紅茶、コーラなどの飲み物です。
特にコーラに関しては、着色だけでなく虫歯のリスクも高いため、コップに口をつけてそのまま飲むのは非常に危険です。
もしこれらの飲み物を飲むのであれば、先ほど説明したように、口の奥の方でストローを軽く噛みながら飲みましょう。
こうすることで、色素や酸性成分が歯に触れにくくなるため、着色のリスクは下がります。
ちなみに色の濃い飲み物としては赤ワインも挙げられますが、赤ワインをストローで飲むことはおすすめできません。
ストローは飲み口が狭いため、赤ワインを飲むと急に口の中に入り、大量のアルコールを摂取してしまう可能性があります。
口腔の発達を促す
こちらは子どもに言えることですが、子どもがストローで飲み物を飲むことは、口腔の発達を促す効果があります。
ストローは、ある程度口周りの力がなければ使用できません。
例えば固定するために軽くくわえたり、飲み物を飲むために吸ったりします。
これらの行動により、口腔の筋肉が鍛えられます。
また子どもの口腔が鍛えられることで、将来的に言葉の発達にも良い影響を与えることがあります。
ちなみに、子どもの乳歯は永久歯に比べて脆く、虫歯のリスクが高いです。
さらに子どもは甘いジュースが大好きなため、虫歯を防ぐ意味でもストローを使用することが望ましいです。
ジュースの飲みすぎを防ぐ
ストローを使用することにより、甘いジュースの飲みすぎを防げる可能性があります。
何度も言うように、ジュースは砂糖が含まれているため、虫歯のリスクを高めてしまいます。
また砂糖の摂りすぎは、単純に太ることにもつながります。
コップの縁に口をつけてジュースを飲む場合、短時間で多くの量を摂取できます。
一方、ストローの場合は力強く吸わない限り、口内に入ってくる量はそれほど多くありません。
そのため、ゆっくり飲むことで少しずつ満足感が強くなり、ジュースの飲みすぎを防止できることが考えられます。
血餅が保護される
歯科クリニックで抜歯などの施術を行った後は、口内に血の塊である血餅が形成されます。
ストローを使用することは、こちらの血餅の保護にもつながります。
血餅は血が固まってできるものですが、少しの刺激で簡単に剥がれてしまいます。
もちろん、剥がれたところからは出血し、また血餅が形成されることになります。
このようなことを繰り返していると、いつまで経っても血餅はなくなりません。
このときストローを使用して水分を摂ることで、血餅が水の勢いで剥がれることがありません。
ストローを深くくわえ、治療した方の歯を避けるように飲むことで、より出血のリスクは下がります。
まとめ
虫歯を予防したり、歯の着色を防いだりしたい方は、普段からなるべくストローを使用して飲み物を飲むようにしましょう。
ただし、水やお茶はコップのままで構いません。
むしろストローで水やお茶を飲むと、食事中に口内を洗い流す効果が半減してしまいます。
またアルコールについても、ストローで摂取するのは身体に悪いため、控えてください。