ホワイトニングを行う方の中には、「とにかく白い歯を手に入れたい」と考える方も多いでしょう。
確かにホワイトニングは白く美しい歯を手に入れるための施術ですが、ただ単に白くすれば良いというわけではありません。
今回は、ホワイトニングで歯が白くなりすぎるデメリットを中心に解説します。
ホワイトニングで歯が白くなりすぎるデメリット
ホワイトニングは歯を真っ白にするイメージがあるかもしれませんが、あまりに白くなりすぎると不自然な印象を与えます。
特に、これまで全体的に歯の黄ばみが目立っていた方は、明らかにホワイトニングを行ったことがわかる見た目になります。
そのため、周りにホワイトニングを行ったことを内緒にしたいという方にとってはデメリットです。
また、このように白すぎる歯が目立つ仕組みには、色の明るさが関係しています。
色の明るさは明度と呼ばれ、色のみの違いである色相、鮮やかさである彩度に比べて、脳が認識するスピードが早いです。
さらに、白は光を反射する色でもあるため、ホワイトニングの効果が出すぎた歯は悪目立ちしてしまうことが考えられます。
どれくらいが不自然な白さに該当する?
ホワイトニングにおいて、白くなりすぎたと判断できるケースは、歯が本来持っている透明感を失うほど白いケースを指します。
天然歯には透明感があり、どれだけキレイな歯を持っている方でも、よく見ればわずかに黄色っぽくなっているものです。
しかし、白くなりすぎた歯は陶器のように透け感のない白であり、天然歯の見た目とはかけ離れています。
天然歯に極めて近い自然な色の歯にしなければ、ホワイトニング治療によって審美性をアップさせることはできません。
ちなみに、こちらはホワイトニングだけでなく、被せ物の治療にも同じことが言えます。
例えばセラミックなどの素材を使用すれば、天然歯のような自然の色を再現できます。
一方、保険診療のレジンでは自然な白さを再現するのが難しく、色はキレイでも違和感のある見た目になることがあります。
ホワイトニングで目指すべき歯の色とは?
ホワイトニング治療を受けるのであれば、できる限り自然な白さを目指さなければいけません。
このときに便利なのが、シェードガイドというものです。
シェードガイドは、歯の白さを判断するために用いる色のランク表です。
歯科クリニックでは、ホワイトニングの施術前にこちらの表で希望する白さを決定します。
また、なるべく美しく見える歯の色にしたい場合には、シェードガイドでいうA1~A2の色を選択すべきです。
こちらは白さと美しさのバランスが良く、わずかに黄色っぽい見た目のため、“天然歯がキレイになった”という印象を持ってもらいやすいです。
ちなみにシェードガイドにおいて真っ白とされる色はWです。
芸能人の方などは、Wを選ぶケースもありますが、一般の方で周りに気付かれたくない方にとっては不向きな色です。
ホワイトニングで白くなりすぎる原因
ホワイトニングで歯が白くなりすぎてしまう原因は、やはり強すぎるホワイトニングを受けてしまうことです。
具体的には「とにかく白くしたい」と考え、通院回数を増やすことが該当します。
歯科クリニックで施術を受けるオフィスホワイトニングでは、ホワイトニング剤に過酸化水素が使用されます。
こちらは市販のホワイトニング製品では使用できない、漂白効果の高い成分です。
またホワイトニング剤だけでなく、専用の機器による光の照射を行うことにより、さらに大きなホワイトニング効果が得られます。
しかし歯科医師の忠告を聞かずに通院回数を増やしてしまうと、ホワイトニング剤や光の照射が効きすぎてしまい、不自然なほど白い歯が出来上がってしまいます。
ホワイトニング後に自然な白さを維持するには?
ホワイトニングにおいて自然な白さを実現できたとしても、その色がいつまでも続くわけではありません。
ホワイトニング後には後戻りが起こり、少しずつ施術を行う前の歯の色に戻っていきます。
そのため、自然な白さをキープするために、歯科クリニックの定期メンテナンスに通いましょう。
定期メンテナンスにより、クリーニングやホワイトニングの再施術を受けることで、違和感のない白さを維持できます。
またホワイトニング後は、なるべく着色性食品の摂取を避けましょう。
例えばカレーやコーヒー、ワインなどを摂取すると、歯の黄ばみが加速してすぐに後戻りしてしまいます。
もちろん一切食べてはいけないわけではありませんが、もし摂取したのであれば、食後すぐにうがいやブラッシングをするようにしましょう。
まとめ
これまで歯の黄ばみがコンプレクスだった方は、極限まで歯を白くしようとしがちです。
しかし、真っ白な歯を手に入れたとしても、施術後の違和感が強いと意味がありません。
口元の審美性を上げるためには、あくまで自然な白さを目指す必要があります。
また患者さん自身で適切な色を選択するのは難しいため、施術前には必ず歯科医師からアドバイスを受けましょう。