代表的な審美治療と言えば、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などが挙げられます。
またダイレクトボンディングも審美治療の一つであり、天然歯を同じ色を再現したい方に選ばれています。
今回は、ダイレクトボンディングの概要とメリット・デメリットについて解説します。
ダイレクトボンディングの概要
ダイレクトボンディングは、レジンという歯科用プラスチックの素材を歯の表面に塗り重ね、歯の色や形を整える治療法です。
歯の表面を滑らかにしたり、歯と歯の隙間を埋めて詰めたり、歯を白くしたりすることができます。
またダイレクトボンディングで使用されるレジンは、保険適用のコンポレットレジンに細かいセラミックの粒子を混ぜたものであり、こちらはハイブリッドセラミックと呼ばれます。
ダイレクトボンディングのメリット
ダイレクトボンディングには、主に以下のようなメリットがあります。
・歯を削る量が少ない
・費用が安い
・天然歯のような色味と強度が手に入る
・治療時間や通院回数が少ない
各メリットについて詳しく説明します。
歯を削る量が少ない
ダイレクトボンディングは、歯を削る量が極めて少ない治療法です。
具体的には、虫歯を削った分だけ詰め物をするため、歯へのダメージを最小限に抑えられます。
ちなみに通常のセラミック治療は、歯を削る量が大きいため、負担が大きくなりやすい傾向にあります。
費用が安い
費用が安いという点も、ダイレクトボンディングのメリットです。
ダイレクトボンディングの費用相場は、歯1本あたり20,000～50,000円と、セラミック治療と比べるとそれほど高くありません。
残念ながら保険は適用できませんが、ある程度良心的な価格設定になっている点は魅力です。
天然歯のような色味と強度が手に入る
ダイレクトボンディングの治療を受ければ、天然歯のような色味と強度を手に入れることができます。
こちらは、ハイブリッドセラミックが優れた素材だからです。
ハイブリッドセラミックにはセラミックの粒子が配合されているため、保険適用のレジンと比べて変色が起こりにくく、耐久性も高いです。
また天然歯の色を再現しやすく、色調や透明感の異なる多種類の素材を使用することで、周りの歯と見分けがつかないくらい自然な歯を再現します。
さらに、何度も塗り重ねることで徐々に患者さんの歯の色味に近づけていくため、仕上がりの違和感はかなり少ないです。
治療時間や治療回数が少ない
ダイレクトボンディングのメリットとしては、治療時間や治療回数が少ないことも挙げられます。
ダイレクトボンディングでは、修復したい歯の部分に対しハイブリッドセラミックを直に重ね塗りします。
インレーやクラウンを作製する際の型取りなどの工程はありません。
また1回の治療時間は1～2時間程度であり、虫歯などが発見されなければ通院も1～2回数で終わります。
そのため、時間にあまり余裕がない方でも受けやすい治療だと言えます。
ダイレクトボンディングのデメリット
一方、ダイレクトボンディングには以下のようなデメリットもあるため、注意してください。
・寿命がある
・高い治療技術が必要
・症例によっては治療できない
各デメリットについて詳しく説明します。
寿命がある
ダイレクトボンディングで使用するハイブリッドセラミックにはセラミックが含まれていますが、永久的に使用できるわけではありません。
ダイレクトボンディングの寿命は、保険適用のプラスチックレジンと比べると比較的長いですが、4～6年程度で劣化すると言われています。
もちろん個人差はありますが、変色したり摩耗したりしてしまう可能性があることは十分理解しておきましょう。
高い治療技術が必要
ダイレクトボンディングでは、型取りを行わず、治療した歯に直接セラミックの含まれた樹脂を詰め込んでいきます。
そのため本来精度は高いですが、歯科医師の技術によって仕上がりに大きく差が出ます。
ダイレクトボンディングを受ける歯科クリニックを選ぶ際は、安さだけで決めるようなことはせず、治療例や治療後の写真などもチェックしましょう。
症例によっては治療できない
ダイレクトボンディングは、すべての症例に対応できるわけではありません。
例えば虫歯が悪化している歯や、歯と歯の間が大きいなど広範囲にわたって修復が必要な歯は、ダイレクトボンディングとの相性が悪いです。
またダイレクトボンディングで使用するのは、保険適用のレジンよりも硬い素材ですが、オールセラミックなどに比べると耐久性は劣ります。
そのため、症例によっては歯科医師から別の治療を勧められることもあります。
まとめ
ダイレクトボンディングは、リーズナブルな審美治療でありながら、さまざまな症例に対応することができます。
治療や通院にかかる負担も、決して大きくはありません。
ただし、場合によってはダイレクトボンディングを受けられないこともありますし、経年劣化は少なからず見られます。
また治療を受ける際は、歯科クリニック選びに時間をかけることも意識しなければいけません。
