ある程度成長した子どもは、一人でもブラッシングができるようになります。
しかし、一人で磨けるからといって、親御さんはサポートを怠ってはいけません。
つまり、完全に子どもだけに任せてはいけないということです。
今回は、子どもにブラッシングを一任させるメリットを中心に解説します。
子どもは何歳から一人でブラッシングができる?
赤ちゃんの場合、当然親御さんが歯ブラシを持って歯を磨いてあげなければいけません。
一方、4歳くらいまで成長した子どもの場合、自分で歯ブラシを持ってブラッシングをすることができます。
個人差はありますが、6歳頃までにほとんどの子どもはブラッシングができるようになります。
しかし、ここでいう“ブラッシングができるようになる”というのは、あくまで行動としてできるようになったことを意味しています。
大人と同じように、しっかりと磨けているかどうかはまた別の話です。
そのため、小学生から中学生に上がるくらいの時期までは、親御さんがサポートをしなければいけません。
子どもにブラッシングを一任させることのデメリット
一人で磨けるようになった途端、ブラッシングのすべてを子どもに任せてしまうと、以下のようなデメリットが生まれます。
・磨き残しが多くなる
・ブラッシングをサボりやすくなる
・間違った方法を覚えてしまう
・治療費がかかりやすくなる
・親子のコミュニケーションが減る
各デメリットについて詳しく説明します。
磨き残しが多くなる
子どもにブラッシングを一任した場合、どうしても磨き残しは多くなります。
子どもは大人と比べ、まだ手先がそこまで器用ではありません。
そのため、磨く場所に合わせて歯ブラシの角度や力加減を変えるなど、細かい調整を行うのは難しいです。
またこのような調整ができないことから、しっかりブラッシングをしても歯と歯の間、歯と歯茎の間などにはプラークが残りやすくなります。
さらに歯の裏側や奥歯のさらに奥なども、十分に磨けない可能性が高いです。
親御さんはこのような磨き残しを防ぎ、虫歯を発症させないためにも、毎日仕上げ磨きを行う必要があります。
具体的には、子どもが磨き残したプラークを除去し、口内環境を良くしてあげることが大切です。
ブラッシングをサボりやすくなる
子どもにブラッシングをすべて任せると、サボってしまうリスクも高くなります。
一人で磨けるようになったとはいえ、子どもにとってブラッシングという習慣はまだまだ身近なものではありません。
またほとんどの子どもは、ブラッシングの時間が好きではないため、「磨かなくて良いなら磨きたくない」と思っているものです。
これらの理由から、親御さんの目が届かなくなれば、サボってしまう可能性が高くなります。
もちろん、子どもがブラッシングをサボっていることに気付かなかった場合、いつの間にか虫歯を発症していることも考えられます。
間違った方法を覚えてしまう
親御さんがしっかりサポートをしていないと、子どもは間違ったブラッシングの仕方を覚えてしまう可能性があります。
正しいブラッシングは、適度な力をかけつつ、歯ブラシを小刻みに動かして1本ずつ磨くというものです。
しかし詳しい方法がわからない子どもは、強く磨いたり、複数の歯を大きなストライドで磨いたりすることがあります。
このような磨き方では十分に汚れは取れませんし、歯や歯茎が傷ついてしまうリスクも高まります。
そのため、親御さんは子どもが一人で磨いているときも、正しい方法を実践できているか確認しなければいけません。
治療費がかかりやすくなる
子どもにブラッシングを任せっきりでいると、虫歯のリスクが上昇します。
また何本も虫歯を発症すると、治療費がかかりやすくなるというデメリットも生まれます。
子どもの乳歯は永久歯に比べて歯質が弱く、少しブラッシングが足りなかっただけでも簡単に虫歯になります。
また子どもは甘いものが大好きであるため、口内は常に虫歯のリスクにさらされています。
このような環境で、子ども自身の不十分なブラッシングだけで対応できるほど、虫歯予防は簡単ではありません。
親子のコミュニケーションが減る
親御さんが子どものブラッシングをサポートすることは、親子のコミュニケーションの機会を増やすことでもあります。
そのため、なるべく一人にせずに声をかけてあげましょう。
一人では退屈でつまらないブラッシングであっても、親御さんと一緒なら頑張れるという子どもは多いです。
またキレイに磨けたときなどに「頑張ったね」と声をかけてあげることで、子どものモチベーションはさらにアップします。
まとめ
ブラッシングを一任することで、子どもはブラッシングの習慣を身に付け、歯への関心を高めることができます。
また歯がキレイになったことへの達成感や満足感も得られますが、やはり親御さんのサポートは必要不可欠です。
子どもに任せっきりでいると、虫歯のリスクは高くなりますし、親御さんは多額の虫歯治療費を負担しなければいけないことも考えられます。