子どもの仕上げ磨きは、親御さんの大切な仕事の一つと言えます。
子ども自身の力では、隅々までブラッシングを行うことはできません。
また仕上げ磨きと言えば、子ども用の歯ブラシを使って行われるイメージですが、実際は他の清掃用具も使用すべきです。
今回は、仕上げ磨きに使用するデンタルフロスについて解説します。
デンタルフロスの概要
デンタルフロスは、合成繊維などを束ねてつくられた細い糸状の清掃器具です。
汚れが残りにくい歯と歯の間に使用することで、歯ブラシでは取り切れないプラークを取り除くことができます。
またデンタルフロスでプラークを取り除くことは虫歯や歯周病予防にもつながり、歯が生え揃ってきた子どもに対し、親御さんが仕上げ磨きの際に使用することもできます。
ちなみにデンタルフロスには糸巻きタイプとホルダータイプがありますが、仕上げ磨きに適しているのはホルダータイプです。
糸巻きタイプは、糸を自由な長さに切って使用するものです。
慣れている方や器用な方にとっては、自由に操作できるため使いやすいかもしれませんが、仕上げ磨きにはあまり向いていません。
一方ホルダータイプは、最初から持ち手に糸が付いているタイプであり、形状としては歯ブラシに近いです。
こちらは、口が小さい子どもの仕上げ磨きに使用しやすく、操作に慣れていない親御さんにもおすすめです。
仕上げ磨きにおけるデンタルフロスの必要性
仕上げ磨きにデンタルフロスを使用すべきなのは、やはり歯ブラシだけではプラークが残る可能性が高いからです。
通常、6歳前後の時期には6歳臼歯という奥歯が生えてきます。
奥歯は食べカスやプラークの除去が難しい位置にあるため、歯ブラシの毛先が届かず、永久歯の奥歯と乳歯の歯間で虫歯を発症するケースが多々見られます。
また乳歯の虫歯は永久歯より症状の進行速度が速いため、初期段階で歯科クリニック似通っていない場合、虫歯が増加して大規模な治療になることも考えられます。
そのため、歯と歯の間を清掃するデンタルフロスは、子どもの口腔内のケアに欠かせないものだと言えます。
仕上げ磨きでデンタルフロスを使うときのポイント
子どもの仕上げ磨きでデンタルフロスを使用する際は、糸の部分を歯と歯の間に当て、ノコギリのように前後に動かしながら糸を入れていきます。
このとき、垂直に力をかけると歯茎を傷つけてしまう可能性があるため、注意が必要です。
またプラークを除去する際は、糸を歯の面に沿わせながら数回上下に動かして絡め取ります。
ここでいう歯の面とは、表側と裏側の両方を指しています。
糸を取り出すときも、前後に動かしながらゆっくりと引き抜き、糸についた汚れは水で洗い流してから次の箇所をブラッシングします。
デンタルフロスは何歳から使用できる?
デンタルフロスは、乳歯が生え始める生後6ヶ月頃から使い始めるのがベストです。
具体的には、前歯が生えてきたことにもブラッシングの練習をしてもらい、その後の仕上げ磨きで歯ブラシとデンタルフロスを併用します。
また仕上げ磨きでフロスを使用する際は、子ども用のフロスで興味を持たせることで、生後6ヶ月頃でも嫌がらずに磨ける可能性が高いです。
子ども用のフロスは丸みを帯びたつくりになっていたり、キャラクターのデザインがされていたりすることが多いです。
中には、子どもが好きなフルーツやジュースなどのフレーバーがついたものもあります。
このようなデンタルフロスであれば、子どもはデザインやフレーバーを選ぶ楽しみから、抵抗なく受け入れてくれる可能性が高いです。
ちなみに子ども用のフロスは大人用に比べてサイズも小さく、慣れていない親御さんでも扱いやすいです。
仕上げ磨きでデンタルフロスを使用する際の注意点
子どもの仕上げ磨きでデンタルフロスを使用する場合、強く引っ張りすぎないことを意識してください。
強く引っ張りすぎると、歯茎に強く当たってしまい、傷つけてしまう原因になります。
また、同じ箇所で繰り返し使用しないようにも注意しましょう。
一度歯間に通した部分には、プラークが付着しています。
プラークは細菌の塊であるため、汚れた部分はすぐに洗い、常に清潔な部分を使用するようにしましょう。
ちなみに、小学校中学年~高学年くらいの年齢になれば、子どもは一人でもデンタルフロスを使用できるようになります。
もし使用できそうなのであれば、ホルダータイプのデンタルフロスで前歯だけでも磨かせてみましょう。
もちろん、最初は親御さんができるだけそばで見守るようにしてください。
まとめ
初めての仕上げ磨きでは、ほとんどの親御さんが苦労するかと思います。
外側から歯を磨くのは大変ですし、子どもは大人と違ってブラッシングの際でもじっとしていない可能性があります。
しかし磨き残しがあってはいけないため、仕上げ磨きでは歯ブラシだけでなく、より清掃効果を高めるためのデンタルフロスも併用しましょう。
操作に慣れてくれば、非常に使い勝手の良いものになります。