フッ素には歯の表面を強くしたり、虫歯菌の活動を抑制したりする働きがあります。
そのため、子どもの虫歯予防には欠かせません。
またフッ素は食べ物から摂取することもできるため、親御さんはそれを意識して献立を考えましょう。
今回は、フッ素が含まれる食べ物や子どもに食べさせる際のポイントなどを解説します。
フッ素が含まれる食べ物と食べさせ方のポイント4選
以下のフッ素が含まれる食べ物を子どもに食べさせることで、虫歯に強い歯をつくることができます。
・海藻
・煮干し
・しいたけ
・味噌
それぞれの食べさせ方について詳しく説明します。
海藻
ワカメや海苔、昆布などの海藻は、フッ素が多く含まれています。
子どもに食べさせる際は、やわらかく煮込んで細かく刻むのがポイントです。
なぜなら、線維が多く噛み切りにくい食材だからです。
サイズが大きかったり硬かったりすると、喉に詰まらせる可能性があるため、注意が必要です。
赤ちゃんの場合は、7~8ヶ月頃から、やわらかく煮て刻んだワカメを与えることができます。
また幼児園児~小学生くらいの子どもには、納豆に青のりを加えたものや、おにぎりをとろろ昆布で巻いたものなども食べ与えることが可能です。
ちなみに海藻にはビタミンも豊富に含まれているため、免疫力をアップさせて虫歯菌を撃退する効果も期待できます。
煮干し
煮干しと言えばカルシウムのイメージがあるかと思いますが、実はフッ素も多く含まれています。
また子どもに煮干しを食べさせる場合は、小さく割ってから食べさせたり、ミキサーにかけてふりかけにしたりします。
乾燥した煮干しは硬いため、小さな子どもに対してはそのままの大きさで食べさせるのは危険です。
また離乳食の場合、生後7~8ヶ月頃から、味噌汁や煮物の出汁として煮干しを使用するのがおすすめです。
煮干しの粉や破片が気になる場合は、ペーパータオルで濾すことによってキレイな出汁ができます。
粉や破片の影響で苦味が出てしまうと、子どもが食べてくれなくなる可能性があるため、注意してください。
しいたけ
しいたけはフッ素が豊富な野菜の代表格ですが、子どもの中には苦手な子も多いです。
苦手な理由としては、強い香りやグニュッ、ヌルッとした食感が挙げられます。
その他にも、焼いて水分が抜けたときのゴムのような食感や軸の硬い歯触り、ヒダの見た目など、子どもが苦手になりがちな要素が多いです。
子どもに食べさせる場合は、まず独特の香りや風味に慣れてもらうために、干ししいたけの出汁から使用しましょう。
またしいたけそのものを食べさせる際は、細かく切って特徴的な見た目や色がわかりにくいようにします。
さらにグニュッ、ヌルッとした食感は、油分が多い食材と噛み応えが似ています。
そのため、脂身の多い肉などと合わせて調理するのがおすすめです。
味噌
味噌は大豆製品であり、非常に豊富な栄養素を誇る発酵食品です。
こちらにもフッ素が含まれていますが、子どもに食べ与える際は塩分に注意しながら、野菜や豆腐などの食材と混ぜて調理するのがポイントです。
離乳食の場合、味噌を少量のだし汁や湯冷まし、野菜スープなどで薄めたものを与えます。
具材はやわらかく煮込んで刻み、少量から始めて徐々に量を増やしていくのがポイントです。
また離乳食期が終わった後は、大人と同じように味噌汁を取り分けて食べることが可能です。
ただしこの時期はまだまだ味覚が繊細であるため、引き続き薄味を意識し、素材や出汁の味を活かした味噌汁にしましょう。
食事以外で子どもにフッ素を採り入れる方法
食事以外で子どもにフッ素を採り入れる方法としては、歯磨き粉や歯科クリニックでのフッ素塗布などがあります。
フッ素配合の歯磨き粉は、ドラッグストアなどで比較的簡単に手に入ります。
まだうがいができない子どもの場合、ペーストタイプではなく、スプレータイプや泡タイプの歯磨き粉がおすすめです。
使用方法としては、歯ブラシのみでプラークを落とし、その後フッ素を歯に塗って、うがいはせず唾を吐き出させる程度にとどめておきます。
使用後にしっかり口をゆすいでしまうと、せっかく歯に塗布したフッ素の効果が半減してしまいます。
また歯科クリニックでのフッ素塗布は、歯が生え始める1歳頃から、年に2~6回ほど受けるのが効果的です。
施術にはペースト状のフッ素を歯面に塗り、少し置いて拭き取る方法や、フッ素液をマウスピースのようなトレーに入れて口に装着する方法などがあります。
ちなみにフッ素塗布の後はうがいを避け、30分ほどは食事を控えなければいけません。
まとめ
今回紹介したフッ素が豊富な食材は、他にもさまざまな栄養素を含んでいるものばかりです。
そのため、与えるときの注意点はあるものの、日々の食事に採り入れることで、子どもの歯のみならず全身の健康につながります。
また子どもの虫歯予防には、親御さんの仕上げ磨き、歯科クリニックでの定期検診やブラッシング指導も欠かせません。
歯が生えてきたら、とりあえず一度歯科クリニックに通院することをおすすめします。